TwitchユーザーがDJ配信によって著作権侵害に問われる可能性が浮上! その理由は?

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新型コロナ禍によって、現実的にクラブでのイベント開催ができなくなって以降、クラブやイベントオーガナイザー、またはDJ個人が行なっているライブ配信。これまでにFacebook、Periscope、Instagram、Mixcloudなど多くのプラットフォームから配信が行われてきたが、その中でも他のプラットフォームと比較して、著作権によるBANが少ないことで知られていたTwitchでもユーザーが「デジタルミレニアム著作権法(DMCA)」による著作権侵害に問われる可能性が浮上したことをYourEDMCultrなど海外メディアが報じている。




今回の報道で明らかになったのは、現在、Twitchではデジタルミレニアム著作権法による著作権侵害の可能性にあたるのは2017年までに遡って配信されたものとしており、削除対象にしている。




この削除要請は、多くのレコード・レーベルや配給会社が加盟しているアメリカのレコード会社業界団体でRIAAによるものとのことだが、Twitchは、セーフハーバーに加盟しており、プラットフォーム上のユーザーの著作権侵害に対してプラットフォームが責任を負うことはできないというサービスの規定上、このルールに従わなくてはならないという法的義務があるという。

現在、報じられていることによれば、Twitchの有名な配信者として知られるFuslie、Jake’n’Bakeらは、著作権で保護されている可能性のある音楽を含む10万本以上の動画を各自のチャンネルに持っているが、ユーザーダッシュボードには古い動画が表示されないことが報告されているほか、Twitchには、YouTubeのように自動的に著作権を侵害する動画を発見して削除する”Content ID”のようなシステム(Universal Music Publishing Groupによる米国著作権局への申し立てを受け、2015年に実装された)が実装されていないため、彼らはその動画を手動で見つけ出し、削除しなければならないそうだ。ただ、著作権者に対してもこれは同様で配信する側と同じく手動で著作権違反動画を見つける必要があるという。




そのため配信者はTwitchを使用し続けるには、早急に過去に配信した著作権侵害にあたる動画を可能な限り、調べて削除するという必要性に駆られている。

この問題について、すでにTwiter上では様々な反発が見られるが、これはTwitchの利用規約に関する理解不足である一方、ユーザーの中には、いつかこのような状況が来ることを理解しつつも無視して問題が明確になるまでは利用するつもりだったものもいるという指摘もある。

これまでにTwitch上の著作権侵害では、これまでにAriana Grande「7 Rings」 50 Cent「In Da Club」、Bee Gees「Staying Alive」、DNCE「Cake by the Ocean」が報告されている。

なお、Twitchは、配信者向けに“音楽のガイドライン”を設けている。その中には”Twitch配信またはVODで使用できない音楽コンテンツの種類の例”などが紹介されており、そこにはDJセットに関する記述もある。

DJセット – ご自分で所有している音楽またはTwitchで共有するライセンスを受け取っている音楽以外の音楽を組み込んでいる、事前にレコーディングされた音楽トラックの再生またはミキシング。

Twitchは新型コロナ禍において、投げ銭機能やSoundCloudと提携したアフィリエイト機能など、クラブやフェスでのDJプレイによる収益源を失ったDJやアーティストたちにとっては金銭面でサポートする役割を果たしていたことでも知られる。また同様に感染拡大防止のために無観客配信を行ってきたクラブにとってもそれは同様だった。それだけにこの問題がクラブシーンに今後、どのような影響を見せるか、またクラブシーン側の対応にも注目が集まりそうだ。




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