ローランド(Roland)は、電子楽器の開発で培ってきた直感的に音楽を生み出せる当社のノウハウを搭載した、革新的なメロディー生成ソフトウェア『Melody Flip』を発表した。公開時期は2026年5月(予定)でローランドのクラウドサービス「Roland Cloud」登録者は無料で利用できる。
『Melody Flip』は、AIを音楽制作の代替手段ではなく、人間の創造性を拡張し、共存しながら活用する存在と捉えるローランドの思想を体現したソフトウェア。株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(以下、ソニーCSL)が長年にわたり研究してきたAIアシスト楽曲制作プロジェクトの研究成果を活用するとともに、これまでローランドがさまざまなハードウェア・ソフトウェアで顧客に提供してきた「音楽的な表現性」「使い勝手の良さ」「簡単操作」の要素を惜しみなく投入している。
ローランドによると、音楽制作の経験はあるものの、「メロディーづくりが苦手」「ビートメイクは得意だが楽典の知識は乏しい」などの悩みをもつ方々に向け、さまざまな音楽制作ツールを自由に使いこなす次世代クリエイターの感性・個性を尊重しながら、自分では生み出せなかった新しいメロディーとの出会いを提供し、音楽制作の可能性を大きく広げるという。

※画面は開発中のもの(Image: Roland)

※画面は開発中のもの(Image: Roland)

※画面は開発中のもの(Image: Roland)
●テクノロジーとクリエイターが共創する、新しい音楽制作のかたち
近年、AIに代表されるテクノロジーは、音楽制作の分野においても急速に進化しています。ローランドは、AIを含むテクノロジーが音楽創造の主役になるのではなく、クリエイターの意思と感性を中心に据え共創関係を築くことが重要であると考えてきました。
『Melody Flip』は、その思想を具現化したソフトウェアです。オーディオ化された楽曲ファイルを読み込むことで、曲の構造、BPM(一分間の拍数、テンポ)、調(キー)、コード進行、ジャンル、ムードなどを解析。解析結果と約300種類に及ぶパレット(※)を組み合わせることで、オリジナリティあふれるメロディーのアイデアを生成して提案します。
生成結果はあくまで「提案」であり、クリエイターはそこからインスピレーションを得て自由に選択・編集・再構築することが可能です。テクノロジーを音楽制作のパートナーとして位置づけることで、人とテクノロジーが共に音楽を生み出す、新しい制作体験を実現します。
※『Melody Flip』内の名称で、メロディー、コード、ベース、ドラムの4つのパートのデータで構成されるパターン●ソニーCSLの作曲支援研究に基づく技術を搭載
『Melody Flip』には、ソニーCSLの作曲支援の研究に基づく技術が活かされています。その一例として、読み込まれた楽曲から構造、BPM、ビート位置、調、コード進行、ジャンル、ムードといった音楽的特徴を抽出し、その曲に似たお薦めのパレットを表示する機能を備えています。これらの機能には、音楽情報探索(MIR: Music Information Retrieval)分野で培われた研究知見が用いられており、読み込んだ楽曲の構成やキーを視覚的に把握するためのサポートとしても役立ち、制作効率を高めます。
●DAWとシームレスに連携
『Melody Flip』は macOS/Windows に対応し、主要なDAW(音楽制作ソフトウェア)上でプラグインとして動作します。生成されたメロディーに加え、コード、ベース、ドラムの各パートをAudio/MIDI の両形式で書き出し可能。アイデア出しや楽曲のスケッチから、スムーズに本格的な楽曲制作への移行が可能で、既存のワークフローに自然に組み込むことができます。
ローランドはMelody Flipについて、次のように述べている。
ローランドはこれまで、電子楽器・音楽制作機器の分野で、常に音楽文化の進化に寄り添ってきました。『Melody Flip』は、AI時代における新たな挑戦として、「技術と人とが共存し、創造性を高め合う音楽制作の未来」をマーケットに提案するための重要な一歩となります。ローランドは今後も、テクノロジーと人間の感性をつなぐ革新的な製品・サービスを通じて、音楽表現の可能性を拡張し続けていきます。
『Melody Flip』詳細
・公開時期:2026年5月(予定)
・利用方法:当社のクラウドサービス「Roland Cloud」(※)登録者は無料で利用可能
「Roland Cloud」詳細:https://www.roland.com/jp/promos/about_roland_cloud/
※2017年にスタートしたローランドのクラウドサービス。音楽制作用の高品位なプラグイン音源やサービスの提供から始まり、幅広いカテゴリーの楽器で音楽を楽しめるコンテンツやサービスを拡充中。
Text by Jun Fukunaga
