フライング・ロータス(Flying Lotus)のラッパー名義として知られるキャプテン・マーフィー (Captain Murphy) が、約10年ぶりとなる本格的な活動再開を果たし、新曲「Mudhole」をリリースした。本楽曲は、6月12日に公開されるライオンズゲート制作のアクション映画『The Furious』(日本公開日は未定) のために書き下ろされたオリジナル・トラックで、〈Brainfeeder〉所属のプロデューサー、リトル・スネーク (Little Snake) との共同制作によるもの。
キャプテン・マーフィーは、フライング・ロータスことスティーヴ・エリソンが生み出した匿名ラッパー・プロジェクト。2012年頃、正体不明のアーティストとしてインターネット上に突如現れ、加工された声や暗示的なリリック、メディア露出を一切行わない謎めいた活動によって大きな話題を集めた。
代表作となるミックステープ『Duality』では、オカルト、二重人格、自我の死といったテーマを扱い、映像作品とともに独自の神話的世界観を構築。その後もフライング・ロータスのアルバム『You’re Dead!』への参加や、アール・スウェットシャツ、サンダーキャット、MF DOOMらとのコラボレーションを通じてカルト的な支持を獲得してきた。
重厚かつ不穏な空気をまとった「Mudhole」は、何か得体の知れない脅威が迫り来るかのような緊張感を孕んだ怒りのトラックだ。冷徹なフロウで登場するキャプテン・マーフィーは、自らの力とラグジュアリーなライフスタイルを誇示しながら楽曲を突き進める。車のロック解除音や誇張された風の効果音など、日常的なサウンドまでもが不気味な質感へと変貌し、すべてを飲み込むような圧倒的なエネルギーを生み出している。
ヴィジュアル面では、Adult Swim作品で知られるアニメーター/映像作家、アダム・フックス(Adam Fuchs/Lilfuchs)が参加。2012年にキャプテン・マーフィーが突如インターネット上に姿を現した際のビジュアル制作にも関わった長年のコラボレーターであり、本作でも独自の世界観を構築している。
映画『The Furious』は、怒りと復讐に突き動かされた男たちを描くハードボイルド・アクション。娘を犯罪組織に誘拐されながらも腐敗した警察から支援を得られなかったシェ・ミャオ演じるワン・ウェイは、自らの手で娘を救うべく暴走を始める。一方、ジョー・タスリムが演じる、妻の失踪を追う執念深いジャーナリスト、ナヴィンもまた真実を追い続けていた。復讐心によって結びついた二人は、誘拐組織との壮絶な戦いへと身を投じていく。
監督は、『るろうに剣心』シリーズや『十二人の死にたい子どもたち』などでアクション監督としても高く評価される谷垣健治。ライオンズゲートが贈る本作は、Edko FilmsとZhejiang Hengdian Filmによる共同制作作品となる。
今回のキャプテン・マーフィー復活は、フライング・ロータスにとって充実した2026年の活動を象徴するトピックのひとつでもある。今年は新作『BIG MAMA EP』の発表に加え、デビュー作『1983』のリイシューも実現。さらに今夏には、ニューヨークとロサンゼルスのBlue Note Jazz Clubにてフル・バンド編成によるレジデンシー公演も予定されている。
なおデビュー・アルバム『1983』のリマスター・エディションは、6月12日 (金) に、完全生産限定の超豪華ゴールド特殊パッケージ仕様の国内盤CDでリリースされる。
