香港発のZ世代インターナショナルグループ、Me&が2023年11月10日にデビュー曲「Eye to Eye」リリースした。
Me&は、Feanna(フィアンナ・リードボーカル)、Mandyy(マンディー・ビジュアル&サブボーカル)、Vian(ヴィアン・メインダンサー)からなる、香港出身のZ世代3人組グループ。KPOPの音楽やダンスに香港のポップミュージックのエッセンスを取り入れたスタイルが特徴となっている。
「Love Attack Squad」というキャッチコピーを掲げ、活動するMe&だが、メンバーの3人は、グループ結成前からそれぞれアーティストやタレント、ダンサーとしてのキャリアを築き上げており、地元香港ではデビュー直後から大きな注目が集まっている。
今回、Pointedでは、今後、地元香港だけでなく、日本や世界の音楽シーンでも注目が集まるであろう期待のニューカマー、Me&にインタビュー。新たにグループのデビューの経緯や「Eye to Eye」に込められた想い、それぞれが持つメンバーの印象などについて、話を聞いた。
人生は一度きりなので、何にでも挑戦できると信じている
ーーメンバーそれぞれがすでに香港ではアーティストやタレント、ダンサーとしてのキャリアをお持ちです。新たに「Me&」としてのキャリアを歩むことにした理由を教えてください。
Feanna:5歳の頃から歌うことが好きで、子供の頃からずっと歌手になることが夢でした。幸運なことに、14歳の時に香港の映画『私たちが飛べる日(She Remembers, He Forgets)』の主題歌を歌う機会があり、それがきっかけで14歳でMedia Asia Groupの一員にソロ歌手として加入しました。Me&のメンバーになるきっかけは、イギリスの大学を卒業したばかりで、香港での今後のキャリアについて考えていた頃でした。Media Asiaが提供してくれたこの素敵な機会を通じて、ダンスのスキルや韓国での音楽制作を経験する機会など、たくさんのことを学べると確信し、参加を決意しました。
Vian:Me&に加入する前は、スポーツに打ち込んでいて、ダンスが趣味でした。私が韓国で投稿したダンス動画がMedia Asiaの目にとまり、グループに誘ってくれました。幼い頃からKポップのファンだったので、「Me&」としてデビューできて夢のようでした。
Mandy:会社(Media Asia)から与えられた挑戦です。人生は一度きりなので、何にでも挑戦できると信じています。
ーーMe&はピンクをグループカラーとしています。このグループカラーを選定した理由やそこに込められた想いについて教えてください。 また、キャッチコピー「Love Attack Squad」についても教えてください。
Feanna:「Love Attack Squad」のコンセプトは、愛を広め、みんなの心に愛と元気を注入することを目指しています。私たち3人はハートが本当に好きで、ハートを思い浮かべるとピンクを連想します。それが、グループのカラーとしてピンクを選んだ理由かもしれません。
Vian:私たちのデビューシングル「Eye to Eye」は「愛を広める」というコンセプトを具現化しています。コンセプトを強調するために、ピンクをグループカラーとして選びました。さらに、ハートは私たち3人のお気に入りのシンボルで、私たち3人をよく体現していると思ってます。キャッチコピー「Love Attack Squad」は、韓国のMV制作チームからもらったもので、私たちの可愛らしさとクールさ、タフでありながら甘さも兼ね備えているイメージにぴったりだと思います。
Mandy:パンデミックの後、世界はどこか冷たくなったように思います。この曲を通じて、少しでもみんなの生活に元気をもたらせたらと願っています。
ーーコロナ禍にグループが結成されたことで、自由に練習や活動ができなかった部分があると思います。そのような苦労をどのようにして乗り越えていきましたか?
Feanna:コロナ禍では、練習のために集まることはできませんでしたが、ビデオ通話で練習を行い、各自がパートを練習し、録音を共有してフィードバックをトレーナーからもらいました。オンラインツールを使って協力し、メッセージやビデオ通話を通じて連絡を取りました。状況に柔軟に対応し、適応する必要がありましたが、私たちの好きな音楽への気持ちが途絶えることはありませんでした。
Vian:コミュニケーションが鍵です。オンラインでのボーカルとダンスのレッスンは、言語の壁もあって、十分にすべてを理解することがとても難しいです。私の場合は、振り付けは動画を何度も繰り返し見ることで学ぶことができます。しかし、ボーカルトレーニングはそれほど単純ではありませんでした。ポジショニングやビブラート、息継ぎなどのボーカルテクニックは、より詳細な理解と指導が必要です。理想の音を出すための舌、顎、唇などの正しい使い方を理解する必要があります。オンラインレッスンは対面の対話がないため、理解に時間がかかることがよくあります。正しく理解できていると確認するには、ボーカルコーチに何度も確認や説明をお願いしたりと、通常のレッスンよりも時間がかかる作業でもあります。
Mandy:私にとっての最大の課題は、撮影とリハーサルを同時に両立させることでした。ミュージックビデオの撮影中に2日間寝ずにいたことを覚えています。その後、すぐに香港に戻って夜通しで撮影しました。これは肉体的なスタミナが必要で、より困難な挑戦のように感じられました。一方、他の課題は練習を重ねて乗り越えることができると思います。
「Me&」はいろんな可能性に満ちたグループ
ーーグループでは、Feannaさんが「セクシーでキュート」、Mandyさんが「クール」、Vianさんが「いじわるでキュート」というポジションで活動されていますが、ほかにもメンバーそれぞれがお互いにどのような印象を持っていますか?
Feanna:Mandyはグループのクールで反抗的な存在で、Me&のライブにかっこいい(badass vibe)雰囲気をもたらしています。Mandyのユニークなスタイルは、Me&を際立てるエキサイティングなエッセンスを加えています。Vianは常にステージで楽しさと悪戯心をもたらしています。彼女の魅力とエネルギーが、Me&のパフォーマンスを生き生きとさせ、楽しませてくれます。これが、私がMe&の面白い特徴だなと感じることの一つです。3人それぞれ異なる個性を持っていますが、ステージで一緒になると素晴らしいバランスが生まれます。Me&はチームとして、お互いの強みと弱みを支え合っているんだと思います。
Vian:Me&に対して「かわいい」イメージを抱く人が多いと思いますが、今後の楽曲を通じて自分たちの別の一面も披露したいと考えています。私たち3人はクールでありながら、甘い一面やムーディーな部分などがあります。まるで私たちの名前のように、「Me&」はいろんな可能性に満ちたグループだと思います。
Mandy:異なるカラーの人々の融合は、面白い化学反応を生み出すのかもしれません。
ーーデビューシングル「Eye To Eye」をリリースしてどんなお気持ちですか?
Feanna:2年間準備してきたプロジェクトがついに実現になり、わくわく感と緊張感が入り混じっています。しかし、VianとMandayの2人がそばにいることで、安心感と落ち着きが生まれています。私たち3人は引き続き、みんなに最高の音楽とパフォーマンスをお届けできるよう努力していきます。
Vian:MVが公開され、とてもわくわくして、感動しました。自分たちのクリエイティブが形になっていく工程を目にしているようであり、赤ちゃんが誕生する喜びに似ていると思います。
Mandy:ステージでのパフォーマンスを通じて、本当にパフォーマンスをすることが好きなんだなと自分で再確認しました。ステージに立つことがこんなにも楽しいとは想像していませんでした。
ーー「Eye To Eye」は、ボーカルやダンスの練習、韓国でのミュージックビデオ撮影など1年間かけてリリースの準備をすすめられたとお聞きしました。リリースするまでにはどんな苦労がありましたか?
Feanna:私たち3人はそれぞれ長所と短所があります。ダンスは私にとって大きな挑戦で、特にハイレベルなコースをZoomで学び始めたことは、とりわけチャレンジングでした。さまざまな課題に直面しても、お互いに支え合えたことに感謝しています。
Vian:パンデミックが大きな影響を与えたと思います。前にも述べたように、私たちはアメリカのボーカルコーチとオンラインレッスンでしか会えませんでした。場所や言語の壁といった課題を克服し、上達するにはさらなる練習と努力が必要です。また、ミュージックビデオで難しいシーンがありました。歯の宝石をつけてリップシンクをするシーンで歯の宝石が緩んでしまい、カメラがまだ回っている最中に飲み込んでしまったんです。アクシデントに即座に対応しなければならなかった初めての経験になりました。
Mandy:さまざまな場所での練習と撮影は、とても貴重な経験だと思います。いつもと違った達成感を与えてくれるからです。
愛を広め、聴くすべての人の心に愛と元気を注入するアンセム「Eye To Eye」
ーー「Eye To Eye」をどんな人に聞いてもらいたいですか?
Feanna:デビューシングル「Eye to Eye」は、とてもエネルギッシュでアップビートな曲です。全て英語詞のトラックで、韓国の制作チームによるものです。よりポップな曲になっています。この曲のコンセプトは、愛を広め、聴くすべての人の心に愛と元気を注入することを目指しています。
Vian:「Eye to Eye」は「Love Attack Squad」を掲げるMe&による、かっこいいダンスの振り付け、ソウルフルなボーカル、聴く人を虜にするラップのフレーズが混ざり合う楽曲です。この曲は、愛のパワーでもって人々を結びつけ、困難を乗り越えてより深いレベルでのつながりを育もうとするアンセムです。どんな人でも、どこにいても、より良い一日にするためにこの曲を聴いて欲しいです。
Mandy:主にこの曲が非常にエネルギッシュだからだと思います。もしみんながこれを聴いて少しでも元気を感じ、そのエネルギーを日常に持ち込んでくれたら、私はとても嬉しいです。
ーー「Eye To Eye」はポップなダンスチューンとなりましたが、今後、他にも挑戦してみたい音楽性(バラードなど)はありますか?
Feanna:私にとって、Me&は元気なガールグループです。デビュー曲がみんなに甘くて可愛い印象を与えたかもしれませんが、スタイリッシュな一面もあります。これからは、自分たちの違う側面も見せられたらと思っています。さまざまな音楽ジャンルに挑戦することを楽しみにしています。
Vian:ガールグループが一つのジャンルに制限される必要はないと思うので、低いキーの曲やバラードなど、さまざまな曲に挑戦してみたいです。
Mandy:バラードも素敵だと思います。
ーー「Eye To Eye」のMVには地球からみなさんのグループカラーのピンクの光がたちのぼり、ハートマークが表示されるシーンもあります。今後のグローバルでのさらなる活躍を示唆するものだと捉えましたが、グローバルで活動する上でロールモデルにしているアーティストはいますか?
Feanna:アリアナ・グランデです。驚くべきボーカルレンジ、魅力的なパフォーマンス、多様な音楽スタイルに本当に尊敬します。さらに、アリアナの芸術への献身やファンとの関係性、そして困難に立ち向かう強さは、感動すら覚えます。彼女の成功とグローバルアーティストとしての影響は、私自身の音楽への情熱や「偉大さ」を追い求めるモチベーションとなっています。
Vian:マイケル・ジャクソンとテイラー・スウィフトは子供の頃からのロールモデルです。2人の音楽を聴いて歌ったり踊ったりするのが好きだったので、両者の曲とクリエイティブは、自分自身の音楽を作るインスピレーションとなりました。彼らのパフォーマンス、ステージでの存在感、そして音楽スタイルは今でも私に影響を与えています。
Mandy:コービー・ブライアント。バスケットボールに熱中してた時期に、彼に大きな影響を受けました。粘り強さや継続する力は、当時のバスケットボールのトレーニングを通じて培ったものだと信じています。
ーーMandyさんは日本のアニメが好きと公言されていますが、ほかの皆さんも日本のカルチャーで好きなものはありますか?また好きな日本の音楽や影響を受けたアーティストはいますか?
Feanna:実は、私自身も大のアニメファンです。アニメを見ながら育ったので、少しだけ日本語を読んだり話したりできます。日本はお気に入りの国の一つで、今でも毎年遊びに訪れています。もちろん、J-Popにも大きな影響を受けていて、幸いなことに今年は香港の音楽フェス・Clockenflapで大好きなYOASOBIのライブを見ることができ、涙が出るくらい感動しました。
Vian:宇多田ヒカルはデビュー曲「First Love」の頃から大好きなアーティストです。彼女の歌声を聴くたびにいつも鳥肌が立ちます。彼女は、楽曲をセルフプロデュースできるオールラウンドなアーティストでもあります。自分も、将来的には自身で楽曲や踊りの振り付けををプロデュースできたらなと思ってます。
Mandy:私はバスケットボールとアニメのミックスかもしれません(笑)。アニメの世界の主人公たちは魔物や怪物と戦わなければならない一方で、優しさと力強い個性を保ち続ける必要があります。現実の世界でも、優しさを守り抜き、人生の困難にそれを奪われないようにすることが重要だと思います。
多くの素晴らしい作品を生み、より多くの人々から認められるよう願っている
ーー今後の活動の目標や展望を教えてください。
Feanna:正直に言うと、(デビューが)いまだに夢のようなので、あまり考えすぎないようにしています。ただし、3人でこれからももっと多くのステージでパフォーマンスができることを願っています。アップビートな曲だけでなく、スローな曲にも挑戦したいです。グループとしての活動の他にも、各メンバーがソロでの活動や向上心を強く持っています。3人全員が多くの素晴らしい作品を生み、より多くの人々から認められるよう願っています。そして、私たちの努力がより多くの人々にMe&を届けることにもつながればと思います。
Vian:Me&はこれからもステージで輝き続け、世界に愛を広めていくだろうと強く信じています。私たちはコンフォートゾーンから踏み出して、新しい音楽と新しい世界観をより多くのオーディエンスに届ける努力をこれからもしていきたいです。
Mandy:今後の会社の方針次第かなと思います。
▶️ME&プロフィール
「セクシーでキュート」なFeanna(フィアンナ)、「クール」なMandy(マンディー)、「いじわるでキュート」なVian(ヴィアン)の全員が香港出身のZ世代からなる3人組・香港初インターナショナルアイドルグループ。K-POPの音楽やダンスに、香港のポップミュージックのエッセンスを取り入れたスタイルが特徴。コロナ禍に結成され、対面でレッスンができないなどの困難を乗り越えながら、Zoomを通して歌やダンスのトレーニングに励み、韓国でのボーカルやダンスのレッスンを経て、2023年11月10日(金)「Eye to Eye」で世界同時デビュー。
Feanna (フィアンナ・リードボーカル)
2001年6月8日生。14歳から歌手活動を開始。2015年の香港映画「She Remembers, He Forgets」のテーマ曲を担当。2019年にはファーストソロアルバム「Feanna 17+」をリリースし、香港のチャートで一位を獲得した。
https://www.instagram.com/feannasswag/
Mandy(マンディー・ビジュアル&サブボーカル)
2000年11月15生。2019年末にタレント活動を開始以降、香港内で急速に知名度を獲得し、日本企業を含む多くの広告のタイアップタレントとして活躍。日本のアニメ好きでもあり、Instagramのプロフィールにはアニメ「進撃の巨人」の主題歌「心臓を捧げよ」と書いてある。
https://www.instagram.com/tmh_xd/
Vian(ヴィアン・メインダンサー)
2001年3月10日生。Kpopのカバーダンスチーム「CINQ HK」を2016年に結成し、香港内のあらゆるダンスコンテストに出場。香港最大級のダンスコンテストでファイナリストとして勝ち残り、J.Y. Parkで知られるJYPやグローバルK-POPチャレンジ番組「ステージK」の関係者に才能を認められ、Me&への参加が決定した。
https://www.instagram.com/vian_vn/
Me& Official Instagram
https://www.instagram.com/me_and.official/
Interview by Jun Fukunaga