Spotifyが2024年第1四半期にロイヤリティ支払いモデルを大幅に変更する予定であることがわかった。
MBWが独自に入手した情報によると、Spotifyは、今後もこれまで採用してきたロイヤリティ支払いモデルである比例配分方式自体は継続する。しかし、その支払いモデルに3つの具体的な大きな変更を加える予定だという。
変更点は、Spotifyから活動中のアーティストにロイヤリティが渡るのを妨げている3つの問題点に起因するものであり、その対策として行われるものだとMBWは述べている。
MBWが報じているSpotifyのロイヤリティ支払いモデルの変更点は次のとおりだ。
1.Spotifyで配信される楽曲がロイヤリティを得るようになる前に年間ストリーミング数の下限を設定する
2.レーベルを含む音楽配信事業者がSpotifyにアップロードした楽曲の不正行為が検出された場合、金銭的なペナルティを科す。
3.音楽以外の”ノイズ”が入った楽曲がロイヤリティを得るために最低限必要な再生時間を導入する。
MBW
MBWは、この変更により、Spotifyは今後5年間で10億ドルのロイヤリティ支払いを”合法的な”アーティストと権利者に移行させることを意図していると指摘する。変更が計画どおり行われた場合、Spotifyは再生回数の規模が小さい楽曲や不正行為によるロイヤリティ支払いを減らすことができ、その浮いた分のロイヤリティを実際にユーザーに聴かれている”本物”のアーティストに回せるようになる。その結果、人気が高いアーティストには、より多くのロイヤリティが支払われるようになる可能性があるようだ。
MBWは、このことから変更後のSpotifyのロイヤリティ支払いモデルには、これまでにSoundCloudやTidal、2023年9月からはDeezerも導入している、ファン主体型のロイヤリティ支払いモデル「UCPS」との類似点が見られると述べている。
ただ、この変更はあくまで、不人気な楽曲に支払われるロイヤリティやストリーミング詐欺師、その他意図的にプラットフォームを悪用する業界関係者に支払われるロイヤリティを減らすことであり、それ自体がクリエイターや権利者に支払われるロイヤリティ・プール全体の規模を変えるわけではないとも指摘している。
source: https://www.musicbusinessworldwide.com/spotify-is-changing-its-royalty-model-to-crush-streaming-fraud/
Text by Jun Fukunaga