パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによる2023年10月7日の攻撃をきっかけに同組織とイスラエルが軍事衝突。現在、両者は戦争状態にある。

イスラエル政府によると、これまでに少なくとも1300人の死亡が確認されたほか、200人近い兵士や民間人(女性や子供を含む)が拉致され、人質にされてガザ地区へ連行された。一方、この報復としてイスラエル軍はガザ空爆を開始。パレスチナの保健当局は10月17日の時点でこれまでに約3000人が死亡したと発表したとBBCは報じている。

現在、イスラエルはガザ地区を完全封鎖し、食料や水やエネルギーなど生活必需品の供給を遮断。またイスラエル軍はガザ地区への地上侵攻を計画しており、ガザ南部への退避通告を受けたガザ北部の住民110万人が難民化し南部へ移動。これにより南部では、寝泊まりする場所や物資が欠乏することになったことも報じられている。

またテレビ朝日の取材に対して、ガザ地区の医師が語ったことによると同地区の負傷者の30〜40%が子供であるなど、今回の軍事紛争によってガザ地区では人道的な危機状態が発生している。

このような状況を受けて、UK拠点のSaffron Recordsのメンター兼チューターで、クィアDJ/プロデューサーであるOutsiderは、パレスチナの子どもたちの救済と医療支援を目的としたチャリティーコンピレーションを企画。

その後、コンピレーションの目的に賛同するプロデューサーたちから楽曲提供を受けたことでアシッドハウス、アンビエント、ベースミュージック、ディスコ、ハウス、ジャングル、ノイズ、テクノなどジャンルレスなコンピレーションアルバム『From the River to the Sea』が完成し、現在はBandcampにて6ポンド(約1091円)リリースされている。

なお、アルバムの売り上げからBandcampとPaypalの手数料を除いた収益は、すべて「パレスチナ児童救済基金(PCRF)」とパレスチナ人医療支援(MAP)に均等に分配されるとのこと。またBandcampのアルバムページには”楽曲を提供してくれたすべてのアーティストに心から感謝します。平和と連帯を。”というメッセージが添えられている。

そのほかに国連WFPがガザ地区でのパレスチナ人道支援ための寄付を呼びかけている。

*コンピレーション名の”From the River to the Sea”は、同名のパレスチナの政治的スローガンを引用したものと思われる。

Text by Jun Fukunaga

source:
https://www.instagram.com/p/CyLaWNRspw0/
https://fromtherivertothesea.bandcamp.com/album/from-the-river-to-the-sea-2

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