現存するクラブでは日本で最も長い歴史を誇る「CLUB METRO」(以下、METRO)最初期 のフライヤー・写真・証言などを収めたアーカイヴ・ブック『CLUB METRO ARCHIVE BOOK “DIGGING UNDERGROUND” VOL.1 1990-1994』の予約を2023年5月12日(金)より開始した。


1990年代の京都の音楽文化、特にクラブカルチャーにおいて、保存されている資料や一般公開されている資料が決して豊富だと言えない中、当時を知るうえでの貴重な一冊となっている。

本書に収録される内容は以下のとおり。

貴重な資料

  1. 1990年~1994年にMETROで開催されたパーティーのフライヤー45枚(平均200文字 程度の解説付き)、METRO内で撮影された写真32枚、METROのマンスリー3枚を掲 載しています。どのような人々がシーンを作っていたか、当時のMETROではどのよ うな音楽が流れていたのか、METROが――ひいてはクラブがどのような社会的な役 割を担っていたのかが垣間見えます。
  2. 黎明期から京都のクラブカルチャーに深く関わってきた沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)、牧野広志(COFFEE BASEディレクター)、山本ニック(METROオー ナー)、林薫(METROプロデューサー)によるTALKを文字起こしした1万字超え の記事を掲載。司会は佐藤守弘(視覚文化&メディア研究、同志社大学文学部美学芸 術学科教員)。京都初のクラブ、METRO初期のパーティー、当時のシーンの状況 等、80年代後半から90年代にかけての京都のクラブカルチャーに関する貴重な証言が凝縮されています。これらの証言からはどのような偶然と必然から文化が成り立ってきたのかがわかります。
  1. クィア/視覚文化研究者の菅野優香による、METROの歴史を代表するロングラン パーティーであり、国内におけるドラァグクイーンを主体としたパーティーの草分 けである「DIAMONDS ARE FOREVER」とMETROについてのコラム、建築リサー チャーの川勝真一による、METROオーナー・山本ニックの半生と空間デザイナーと しての経歴を追いながら、空間表現のエッセンス及び思想に迫るコラムを掲載。黎 明期の京都のクラブカルチャーに深く関わってきた人々へのインタビューを基にし た、研究者・専門家が書き下ろした各5千字超えのコラムを掲載することでMETRO 及びクラブカルチャーを多角的に再評価します。
  2. 90年代前半のフライヤー4枚、マンスリー3枚、写真2枚の複製品を封入しています。 インターネット普及前だった90年代前半は、今よりもフライヤー、マンスリーなど 紙のメディアが重要な情報源でした。また写真もデジタルではなく、プリントして アルバムなどにしまっておくのが一般的でした。ビジュアルイメージだけでなくメ ディアの形態を通して時代を伝えるために紙書籍版には複製品を封入します。

特殊仕様[紙書籍版]

  1. レコードプレス業者に依頼して製造した12インチレコードジャケットにバラバラの 紙面や複製品を封入する仕様。
  2. 初期はほとんどのフライヤー・マンスリーをMETROスタッフが輪転機でデザイン・ 印刷していましたが、今回封入しているフライヤー・マンスリーの複製品は輪転機 の印刷をリソグラフで忠実に再現。
  3. 写真の複製品2枚はアルバムのように紙面から取り外し可能。
  4. 写真ページはコート紙、フライヤー・マンスリーの複製品は普通紙にリソグラフ印刷というふうに、掲載内容によって紙・印刷を使い分け。

CONTENTS 内容

ごあいさつ 文:中本真生(CLUB METROアーカイブ実行委員会) 場所の記憶と人の痕跡——クラブ・カルチャーとアーカイヴ 文:佐藤守弘(視覚文化&メ ディア研究、同志社大学文学部美学芸術学科教員)

FLYER:METROで開催された1990年代前半のパーティーのフライヤー45枚掲載 複製品4枚封入

TALK:METRO 30th ANNIVERSARY:SPECIAL ONLINE TALK 京都のクラブカルチャー黎明期と METRO ゲストスピーカー:沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)、牧野広志(COFFEE BASEディ レクター) スピーカー:山本ニック(METROオーナー)、林薫(METROプロデューサー) 司会:佐藤守弘

COLUMN:METRO×DIAMONDS——地上と地下の間に存在し続ける中間領域 文:菅野優香(クィア/ 視覚文化研究、同志社大学教員) インタビュー:松尾恵、シモーヌ深雪、DJ LaLa

PHOTO:METRO内で撮影された1990年代前半の写真32枚掲載(内複製品2枚) METROの内装写真3枚掲載

COLUMN:文明と自然が響き合う空間——空間デザイナーとしての山本ニック 文:川勝真一(建築リ サーチャー) インタビュー:山本ニック

MONTHLY:複製品3枚封入(1990年12月下旬、1992年10月下旬~11月初旬、1994年11月)

OUTLINE 概要:

形式|紙書籍版及び同内容のPDF版を販売

サイズ[紙書籍版]|315mm × 315mm(12インチレコードジャケットサイズ)

価格|紙書籍版:3,000円(税込) PDF版:1,500円(税込) ※郵送の場合は送料別。

予約開始日|2023年5月12日(金) 発売日|2023年5月26日(金)

販売場所|METROでの店頭販売、METROオンラインショップでの販売 他

METROオンラインショップ URL|https://metro-kyoto.stores.jp/

問合せ先|CLUB METRO(info@metro.ne.jp)

CREDIT クレジット

企画・監修・編集|中本真生(UNGLOBAL STUDIO KYOTO) デザイン|見増勇介(ym design株式会社) 編集|山本佳奈子 背表紙写真|撮影:井上嘉和 協力:木藤純子 照明:十河陽平 協力|石川琢也、佐藤守弘、一般財団法人NISSHA財団、METRO/ZAC UP 発行|CLUB METROアーカイブ実行委員会

京都市「Arts Aid KYOTO」補助事業

GOODS グッズ

33周年記念&アーカイヴ・ブック発売記念Tシャツ を同時販売します。METROオーナーの山本ニックが、33年前にMETROの空間デザインを手がけた際に、空間デザインに込めた「掘り続ける=DIGGING 」という言葉を現在進行形のステートメントとして展開しました。 デザインはアーカイヴ・ブックのデ ザイナーであり、美術館やアートセンターなどの文 化施設を中心に活動するアートディレクター・デザイナーの見増勇介です。

ABOUT METRO METROとは

京都に1990年にオープンし今年33年目を迎え、のべ150万人以上を動員した日本で最も長い 歴史を誇る老舗クラブ。クラブカルチャーのほぼ黎明期より、こだわりを持った独自のブッ キングで、音楽を中心に映像、アート、ペインティングなど様々なカルチャーを発信し、世 界に進出した京都発の多くの有名アーティストを輩出。大沢伸一、 田中知之 、KYOTO JAZZ MASSIVE、くるり、つじあやの、JUJU、ブリリアントグリーン、日本初のVJと言われるデザインユニットGROOVISIONSなど、数多くのアーティストが活動初期に出演し、全 国的にクラブカルチャー/ポップカルチャーを代表する存在へとなっている。また世界的パ フォーマンスグループであるダムタイプのメンバーとシモーヌ深雪らによりオープン当初よ り30年間にわたり続いているパーティー「ダイヤモンドナイト」は2018年10月に東京六本 木の森美術館にて展覧会で紹介された。更に、キャパシティ僅か300人でありながら、ダフ トパンクやエイフェックスツイン、スクエアプッシャー、ジェームス・ブレイク、バトル ズ、リッチー・ホーティン、ジェフ・ミルズ、サンダーキャットら世界中の数々の著名アー ティストが出演、”名誉顧問”アート・リンゼイら来日の度に公演に訪れるアーティストも多 く、2015年にオーストラリアのwebメディア[inthemix]にて”14 of the weirdest places you can go clubbing”(世界のイケてるクラブ14選)にも選出されるなど、海外でもその名は知 れ渡っている。 また、クラブでありながらライブイベントも精力的に開催し、あらゆる音 楽のジャンルをカバーしているが、夕方の時間帯には音楽以外にもアート、映画、文学、演 劇など様々な表現を取り上げた「メトロ大學」というクラブ版カルチャースクールを開催したり、京都市が主催する国際的なアートフェスとも連携するなど、様々なカルチャーを放ち、様々なアーティストの交流の場としての役割を果たしてきた。

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