11月15日(アメリカ現地時間)にグラミー賞はYouTubeで生配信を行い、2023年のノミネート作品を発表した。受賞作品は2023年2月5日に行われる第65回グラミー賞授賞式で発表される。

今回のノミネート作品発表ではBeyoncé、Kendrick Lamar、Adele、Harry Stylesらが複数部門でノミネートされている。

最多ノミネートとなったのは、最優秀レコード賞や最優秀アルバム賞を含めて9部門でノミネートされているBeyoncé。8部門ノミネートのKendrick Lamarがそれに続いている。

一方、Adeleは7部門でノミネートされており、今年のコーチェラのヘッドライナーや日本ではYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」出演も話題になったHarry Stylesのほか、Future、Mary J. Blige、 DJ Khaledは6部門でノミネート。5部門でノミネートされているJay-Zは、これによってグラミー賞史上、最もノミネートを獲得したアーティストとしてBeyoncéと並ぶこれまでに88の部門でノミネートされたアーティストとなった。また2023年に来日を控えるイギリスのインディーロックデュオ、Wet Legも最優秀新人賞を含む5部門にノミネートされている。

2023年の注目はBeyoncéとAdelが最優秀レコード賞、最優秀アルバム、最優秀楽曲賞でともにノミネートされている点だ。2人が直接対決するのは2017年以来となる。この時はBeyoncéが『Lemonade』、Adeleが『25』とお互いに大ヒットアルバムを引っ提げてグラミー賞に望んでいたが、結果はAdeleが主要3部門を含む5部門制覇を達成。しかし、Adeleは、最優秀レコード賞の受賞スピーチで「この賞を受け取ることはできない。『Lemonade』こそがふさわしく、Beyoncéを心から愛し尊敬しています」と異例のコメントを残したことも大きな話題になった。

ちなみに今回、Beyoncéはハウスミュージックなどダンスミュージックを取り入れた最新アルバム『Renaissance』のリリリースによって、ダンス/エレクトロニックミュージック部門でも存在感を発揮。最優秀ダンス/エレクトロニックレコーディング賞に「Break My Soul」がノミネートされているほか、最優秀ダンス/エレクトロニックアルバム賞に『Renaissance』がノミネートされている。

また最優秀ダンス/エレクトロニックレコーディング賞では、今夏ヒット曲となったDavid Guetta & Bebe Rexha「I’m Good (Blue)」やDiploにとって、2004年の『Florida』以来のソロプロジェクトアルバムとなる『Diplo』収録のMiguelとのコラボ曲「Don’t Forget My Love」やこれまでに5度のグラミー賞ノミネート歴があり、今年のフジロックではライブセットでの出演で話題をさらったBonoboの「Rosewood」、今年同部門を受賞したRüfüs Du Solの「On My Knees」、KaytranadaとH.E.R.のコラボ曲「Intimidated」がノミネートされている。

最優秀ダンス/エレクトロニックアルバム賞では、先述のBeyoncé『Renaissance』とDiplo『Diplo』のほか、Bonobo『Fragments』、Odesza『The Last Goodbye』、Rüfüs Du Sol『Surrender』がノミネートされている。

最優秀ロックアルバム賞では近年、ヒップホップからポップパンクに転向し、ヒットチャートでも1位を獲得するなど、ポップパンク・リバイバルの旗手として注目を集めるMachine Gun Kellyの『Mainstream Sellout』がノミネートされている。

また最優秀オルタナティブミュージックアルバム賞では、先述のWet Legのほか、2023年に来日公演を控えるBjörkが、インドネシアのガムラン・ガバユニット「Gabber Modus Operandi」を迎え、ベースミュージックやガバを取り入れたことを話題になった最新アルバム『Fossora』などもノミネートされている。

2023年のノミネート一覧はこちら

Text by Jun Fukunaga

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