常に時代の先端を走り続け、時代を開拓し続けた伝説、デヴィッド・ボウイ。1969年からの彼の豊潤なキャリアを総括するボックス・セット・シリーズの第五弾作品となる『ブリリアント・アドヴェンチャー [1992-2001]』が、ワーナーミュージック・グループ/パーロフォン・レコーズより11月26日にリリースされることが決定した。




また、デヴィッド・ボウイの誕生日の前日となる2022年1月7日には、同ボックス・セットに収録されている伝説的未発表アルバム『トイ』も、3枚組CDボックス・セット並びに6枚組10インチ・アナログ・ボックス・セットとなってリリースされることも明らかになった。

ボックス・セット・シリーズは現在までに『ファイヴ・イヤーズ [1969-1973]』、『フー・キャン・アイ・ビー・ナウ [1974-1976]』、『ア・ニュー・キャリア・イン・ア・ニュー・タウン [1977-1982]』、『ラヴィング・ジ・エイリアン [1983-1988]』という4作品がリリースされており、数々の賞を受賞する非常に評価の高いボックス・シリーズとなっている。このシリーズの最新作となる『ブリリアント・アドヴェンチャー [1992-2001]』は、11枚組のCDボックス・セットと18枚組のアナログ・ボックス・セット、そしてデジタル配信でのリリースとなる。

1999年発売のアルバム『アワーズ…』に収録されている、琴の音色が印象的なインストゥルメンタル曲のタイトルから名付けられたこの『ブリリアント・アドヴェンチャー [1992-2001]』。

ここには、この期間にボウイが発表した『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』や、『郊外のブッダ(原題: THE BUDDHA OF SUBURBIA)』(日本盤としては発売されていなかった作品、またアナログ盤としても30年以上入手困難となっていたアルバムだ)、『アウトサイド』、『アースリング』、そして『アワーズ…』といったスタジオ・アルバムの、オリジナル・プロデューサーやコラボレイターの手による最新リマスター音源が収録されているのに加え、2000年6月27日にロンドンにあるBBC RADIO THEATREで行われたライヴの模様を収録したライヴ・アルバム、アルバム未収録曲や別ヴァージョン、Bサイド曲を収録したコンピレーション作品『リコール5』、そして今や伝説として語り継がれているボウイの未発表アルバム『トイ』といった作品が収録されている。

アルバム『トイ』は、2000年のグラストンベリーでの凱旋公演後にレコーディングが行われていたアルバムだ。大成功を収めたグラストンベリー公演を終えたボウイは、1964年から1971年の間に初めてレコーディングした楽曲を新しい解釈でレコーディングするために、マーク・プラティやスターリング・キャンベル、ゲイル・アン・ドーシー、アール・スリック、マイク・ガーソン、ホリー・パーマー、そしてエム・グライナーからなるバンドと共にスタジオに入った。ボウイはいわゆる“オールド・スクール”な手法をレコーディングに取り入れ、バンド・メンバー全員でライヴ・レコーディングを行い、その中からベスト・テイクを選んで可能な限り早くアルバムを発表するという、驚くほど先見性のある計画を立てていたのだ。しかし、残念ながら2001年当時は「サプライズ・リリース」という発売形態/コンセプトとそれを支えるテクノロジーがまだ確立されておらず、この『トイ』というアルバムをボウイが望んだように即座にファンに向けて発売することは不可能となってしまう。そこでボウイはさらにその先を見据え、同じセッション時に生まれたいくつかの新曲を仕上げ、新たな作品を創り上げた。それが2002年にリリースされた、ボウイの最高の瞬間を捉えた一つの作品として認知されているアルバム『ヒーザン』だったのだ。




当初発売が予定されていた2001年から20年という時を経て、ボウイの共同プロデューサーであるマーク・プラティはこう話している。「『トイ』というアルバムは、喜びや燃え盛る炎、エネルギーを琥珀の中に捉えた瞬間のような作品です。音楽を演奏することに喜びを感じている人々のサウンドがここにあるのです。デヴィッドは数十年前の自身の作品を、今までの経験値と新鮮な視点から再検討していました。20年経った今、私も再びこの作品に立ち戻っているのですから、同じ意味を持っているんでしょう。彼はよく、“マーク、これは僕たちのアルバムだよ」って言っていました。昔の楽曲を再び掘り下げるこの旅路において、私は彼と共に深くのめり込んでいっていたのを知っていたんでしょうね。ようやくこのアルバムが、私たち全員のものだ、と言えるようになることを非常に嬉しく思っています」

ボウイの誕生日の前日となる2022年1月7日に、3枚組CDと6枚組10インチ・アナログというフォーマットで発売となる『トイ(トイ・ボックス)』は、この『トイ』というアルバムのスペシャル・エディションとなる作品だ。レコーディング・セッションの“瞬間を切り取る”アプローチは、成長したボウイの顔を持つ赤ちゃん、というボウイがデザインしたジャケット・アートワークにも生かされている。この『トイ(トイ・ボックス)』には、『トイ』アルバムに加え、オルタナティヴ・ミックスや別ヴァージョンの音源や、当時のレコーディング・セッション時に収録していたアール・スリックとマーク・プラティによるアコースティック・ギターのサウンドをもとに、ボウイも気に入っていたというヴォーカルとギターのみというシンプルなサウンドを中心に置きつつ所々にエレクトリックをまぶしながら完成させた新たなミックス音源も収録されている。また、この『トイ・ボックス』には、フランク・オッケンフェルス三世が撮影していた未発表の写真を多数掲載した16ページのブックレットが封入されている。

『ブリリアント・アドヴェンチャー [1992-2001]』に収録されている『BBC RADIO THEATRE, LONDON, JUNE 27, 2000』というライヴ音源と、アルバム未収録曲やBサイド曲などを収録した『リコール 5』は、このボックス・セット限定のアルバムとなっている。2000年6月27日のライヴは、グラストンベリーでのパフォーマンスの二日後に、セントラル・ロンドンにあるBBCのアールデコ調の劇場で幸運な500人のファンのために行われたライヴだ。この日のライヴ音源は、2000年9月に発売された限定盤3枚組アルバム『BOWIE AT THE BEEB』の3枚目のCDに何曲か収録されていたのだが、フル・コンサートとして発表されるのは今回が初となる。また、『リコール 5』は3枚のCD(アナログ・ボックスでは4枚のLP)にアルバム未収録曲や別ヴァージョン、Bサイド曲や映画のサントラに提供していた曲など全39曲を収録した作品だ。

また、このボックス・セットには128ページにも及ぶ(アナログ・ボックスでは84ページ)豪華ブックが同梱されている。ここには、フランク・W・オッケンフェルス三世やニック・ナイト、ジョン・スキャリスブリック、ニーナ・シュルツ・ターナーといったフォトグラファー達による非常に貴重な未発表写真やメモラビリア、そしてブライアン・イーノやナイル・ロジャース、リーヴス・ゲイブレルス、マーク・プラティといったプロデューサーやエンジニアによるライナーノーツ、そして『郊外のブッダ』のコラボレイターであるエルダル・キジルチャイの最新インタビューなどが掲載されている。

CDボックス・セットには、ゴールド・カラーのディスクが採用されており、各ディスクはオリジナル・アルバムのアナログ盤を可能な限り復刻した紙ジャケットに封入されている。また、LPボックス・セットにはCDセットと同内容の作品を、180グラム重量盤アナログに収録。




【作品情報】

デヴィッド・ボウイ

『ブリリアント・アドヴェンチャー [1992-2001]』

2021/11/26発売 (国内盤の発売情報は後日解禁予定)

11枚組CDボックス・セット、18枚組アナログ・ボックス・セット

●128ページのハードカヴァー・ブック(アナログ・ボックスは84ページ)

●『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』(リマスター音源、1CD / 2LP)

●『郊外のブッダ』(リマスター音源、1CD / 2LP)

●『アウトサイド』(リマスター音源、1CD / 2LP)

●『アースリング』(リマスター音源、1CD / 2LP)

●『アワーズ…』(リマスター音源、1CD / 1LP)

●『BBCラジオ・シアター、ロンドン、2000年6月27日』(リマスター音源、拡大版20曲収録、2CD / 3LP)*

●『トイ』(未発表アルバム、1CD / 2LP)

●『リコール 5』(アルバム未収録曲/エディット/シングル・ヴァージョン/Bサイド/サウンドトラック音源など収録、リマスター音源、3CD / 4LP)




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