ジャイルス・ピーターソンとインコグニートのブルーイによる新プロジェクト、ストラータ(STR4TA)。二人が提示するブリット・ファンク最新型が詰め込まれた3月26日発売のアルバム『Aspects』より新曲「Vision 9」を本日リリースした。




1980年代よりクラブシーンのキーパーソンとしてジャズを中心にしながらも、ジャンルという音楽の境界線を砕き、多くのアーティストと点で結ばれながら世界中のDJとアーティストに大きな影響を与え続けるジャイルス・ピーターソン。そしてアシッド・ジャズ〜ジャズ・ファンクの頂点に立つバンド、インコグニート(Incognito)のリーダーであり、世界最高峰のギタリストとしても名を馳せるブルーイの二人は、ストラータにおいて80年代初頭の自由で変幻自在なブリットファンク・シーンのエネルギーを現代によみがえらせ、ジャズ〜フージョンの進化型を提示している。長年の友人でコラボレーターでもある彼らは、共に過ごしたその形成期から新しい音楽の可能性を掘り起こすことに挑戦し、DIYの精神、ライヴ・パフォーマンスで培われたセンスと力強い表現力へと再び立ち返っている。

今作は70~80年代のジャズ・ファンク・グループが生み出したサウンドにフレッシュなエネルギーを注ぎ込み、ブルーイとピーターソンが実に10年以上ぶりに手を組んだ結果完成した作品だ。




2人は、初期作品に通じる出発点から曲作りにアプローチしたいと考えた。このプロジェクトのアイデアは、活気あるその瞬間その瞬間のサウンドをとらえることにあったのだ。ブルーイは、それは自分たちが何年もかけて手に入れてきた洗練されたタッチとは対照的なものだと言う。初期のブリット・ファンクのサウンドとそれを生じさせたロンドンのジャズ・ファンクをとりまく環境は、同時期のパンクバンドに匹敵する激しいライヴショーに根差すものだった。ジャイルスは、あまり洗練されすぎないように気をつけていたと言う。

背後で口を出しながらね。いや、そのままでいい!そこで切ってしまえ!!ファーストテイクを使おう!!!とか言って – Gilles Peterson

また、このプロジェクトに関してある意外な出来事が起こった。2020年のブリット・アワードの受賞スピーチで、タイラー・ザ・クリエイターが“80年代のブリティッシュ・ファンク”から影響を受けたと声を大にして語ったのだ。それはブルーイが仲間たちと一緒に研磨して来たサウンドに対する答えであり、彼らが受けたアメリカの影響が彼ら自身の現状を通して再び重要視されたことを意味していた。

音楽をやる人ならみんな同じだと思うが、僕らも自分のヒーローたちの真似をしようとした。
でも僕らにはツールがなかった。音楽を勉強したことがなかったから、僕らはみんな耳で覚えて演奏し、好きなレコードから気に入ったところを取り出していたんだ。 – Jean-Paul ‘Bluey’ Maunick

この作品はそれと同じ理念によって制作が行われた。作曲とレコーディングの両方で二人は共に制作をし、ブリット・ファンクのキラー・サウンドを生み出した、より素朴で考察力を欠いた地点から始めている。ジャイルスは、キラリと光る瞬間のある印象深いレコードを掘り起こし、ブルーイはそれらのアイデアから新たな方向性を築き上げたのだ。

STR4TAのデビュー・アルバム『Aspects』は、2021年3月26日に国内盤CD、輸入盤CD/LPでリリースされ、国内盤CDにはボーナストラック、歌詞対訳と解説が封入される。また、一部対象店舗ではジャケットデザインのマグネットが特典として付属する。




Share.

Comments are closed.