故Erick Morilloによる過去の性的暴行に対する証言が相次ぐ

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9月1日に死去したハウスシーンのレジェンドプロデューサー、Erick Morillo。彼がミュージシャンとしてシーンに残した功績は多大なものであるが、一方で、セクシャルハラスメント問題も抱えており、その遺産は複雑なものになっている。




Erick Morilloは、90年代にリリースした「I Like to Move It」のヒットでよく知られるが、今年8月に女性DJに対する性的暴行の罪で逮捕・起訴され、9月4日(現地時間)に公判を控えていた最中、9月1日に突如アメリカ・マイアミビーチにある自宅で亡くなっているところを発見された。

彼が残した複雑な遺産については、死去報道の直後からセクシャルハラスメントに対する批判の声も少なくない。特にスウェーデン出身の女性プロデューサー、Ida Engbergは、彼の功績を讃えるのではなく、セクシャルハラスメントと起こしたという事実を受け止め、問題行動によって、才能を絶たれることになってしまった女性たちのためにも性的暴行者を讃えるべきではないと主張している。

海外音楽メディアのMixmagはそういった事態を受けて、その問題を巡る特集記事を公開している。

特集記事では、Erick Morilloのファンや近い友人たちがその死を追悼する中、抱えていたセクシャルハラスメントの問題点にも注目。女性DJたちが暴行被害者との連帯を表明し、彼から暴行を受けたという自身の体験談を共有するようになると、徐々に、より多くの女性が名乗り出て、SNS上で彼との否定的な、しばしば虐待を受けた体験を語るようになった事実を伝えている。




そのような事態を受けて、Mixmagは、Erick Morilloにレイプされたかもしれないと考えている人や、彼にレイプされた人を知っていると証言する人物たちにも取材を行なったが、これらの人々は、報復を恐れているためか、トラウマを追体験したくないためか、あるいはセクシャルハラスメントによってブラックアウトした後に何が起こったのか正確な記憶がないためか、供述をしたがらないのだという。

Mixmag曰く、この特集記事は、自分が彼の被害者であると信じている人たちをサポートするためと、多くの人たちが何年も沈黙の中で苦しんできたこと、そして、この業界の他の性的暴行の被害者が名乗り出ることを促すためにも、これらの話は共有される必要があると考えて公開したものだという。

なお、Mixmagは、伝えられた通りの内容を報じており、発言内容を誇張したり、変更したりすることはないと明言。この特集記事で「被害者」という言葉を使うことで、Mixmagは法的な罪悪感を判断するのではなく、Erick Morilloが行った性犯罪やその他のハラスメント行為の被害者であると信じている複数の人々について報道している。

音楽業界では、これまでにもシーンに多大な影響を残した人物たちによるハラスメント問題を抱えており、作品と問題を起こした人格は分けて考えるべきだという声もある。しかしながら、かねてから業界におけるジェンダーギャップも問題になっており、近年は、その是正が特にこれまで”優遇”されることがなかった性的マイノリティーから強く訴えられる場面も増えている。

その意味ではErick Morilloが残した遺産はやはり複雑だ。しかし、先述のような問題意識が高まる今の時代においては、音楽業界も彼の残した”負の遺産”から目を背けることはできないのではないだろうか?

内閣府男女共同参画局が公開する性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター一覧はこちら。




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