Arca、最新アルバム『KiCk i』からシングル「Mequetrefe」の配信開始!

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待望の最新アルバム『KiCk i』のリリースを控えるベネズエラ出身ロンドン在住の奇才、アルカ(Arca)ことアレハンドロ・ゲルシが同アルバムから最新シングル「Mequetrefe」のダウンロード/ストリーミング配信を開始した。




アルカの4作目『KiCk i』は6月26日にダウンロード/ストリーミングで配信開始され、7月17日に国内盤CD/輸入盤CD&LP が発売となる。

今回公開された新曲「Mequetrefe」には、恥ずかしがらずに自分を表現することの裏にある優しさと、それが必要とする自信と勇気を呼び起こすという意味が込められている。ベネズエラで育ったアルカがよく耳にした「mequetrefe」という言葉は、男性を軽蔑する意味で使われることが多かったが、この曲では「mequetrefe」という言葉をあえて用いることでその意味を逆手にとって新たな“男らしさ”を表現している。

アルカは今回合わせて自身が作成した新たなプレイリスト「(. づ^•ᴥ•^)づ.^♪♬」をスポティファイで公開しているほか、先に公開されたシングル「Time」はシャネルの「2020/21 Cruise Collection」公式ショートフィルムに起用されている。

2017年にリリースした前作『Arca』でヴェネズエラのフォーク・ミュージックを再訪し、その異形のエレクトロニック・ミュージックに“歌”を大々的に導入したアルカだが、62分を超える時間のなかで激しく音像を変えていく衝撃的なシングル「@@@@@」を経て、様々な音楽要素がダイナミックにクラッシュするように強力な“ポップ・アルバム”を生み出した。多くの華やかなヴォーカル・トラックが詰まった本作のタイトルは『KiCk i』、これまで誰も聴いたことのないエクスペリメンタル・ポップ・ミュージックがここにある。




ノンバイナリーのトランスジェンダー女性であると自認するアルカは、『KiCk i』を「Nonbinary」の堂々たる宣言で始めつつ、複数のエゴ/アイデンティティが共存する作品に仕立てた。インダストリアルな音色によるランダムなビート、ときにアグレッシヴな、ときに抽象的なニュアンスを醸すシンセ・サウンド、エモーショナルな歌といった多数の要素が次々と出現し、衝突していく。アルカは『KiCk i』のテーマを「ディーヴァが流動的ジェンダーのサイバーパンク・レゲトンを未来的にアップデートしたらどういうサウンドになるか」と説明しているが、ラテンの伝統的なダンス・ミュージックを、彼女のアイデンティティの思索とともに大胆に更新した作品であることは間違いない。

前作同様アルカ自身が声を聴かせる“歌”の作品でもあるが、『KiCk i』には個性的なゲストが参加している。その筆頭はビョークで、以前からアルカとめざましいコラボレーションを重ねてきた彼女は「Afterwords」で圧倒的な歌を聴かせてくれる。また、ロンドンをベースとするプロデューサー/シンガーのシャイガールは「Watch」でまさにサイバーパンク的に機械的なスタイリッシュさを、ネオ・フラメンコのアイコンであるロザリアは「KLK」でラテンの刺激的な風を持ちこんでいる。実験主義とポップを大胆に交錯させているという点では、「La Chiqui」でフィーチャーされているソフィーは本作に打ってつけの人選だと言えるだろう。それぞれの楽曲ではゲストの音楽性が引き出されており、アルカが本作で多様なアイデンティティを志したことが伝わってくる。

『KiCk i』でアルカは、「自分の周りにつねに感じていた壁を蹴って破壊することができた」と言う。このパワフルなアルバムには、ひとが変化のために渾身の“キック”をする瞬間のようなダイナミズムに満ちているのである。

最新作『KiCk i』の国内盤CDは、7月17日にリリースされる。国内盤CDには、歌詞対訳と解説が封入されるほか、輸入盤CDとは異なる国内盤CD限定の盤面デザインを起用し、ボーナストラックを追加収録する。現在iTunes Storeでアルバムを予約すると、既に公開されている「Nonbinary」 「Time」と今回公開された「Mequetrefe」がいち早くダウンロードできる。




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