ブライアン・イーノ(Brian Eno)が、1988年に自身の芸術的世界観を追求する場として設立したレーベル〈Opal Records〉を、30年以上の時を経て再始動させることを発表した。
レーベルの復活を記念して、2000年代にイーノが発表した二つのカルト的名作『Another Day on Earth』(2005年)と、J・ペーター・シュヴァルムとの共作『Drawn From Life』(2001年)の再発が決定。2作同時で、10月16日 (金)に発売される。あわせて『Another Day on Earth』から「Caught Between」と、『Drawn From Life』より「Persis」が、これまで未公開の貴重なライブパフォーマンス映像とともに解禁された。今後は、レーベルの歴史を称える作品のリリースに加え、その未来を切り拓く新作も予定されている。
「Persis」のライブ映像は、2001年7月29日にフジロックのホワイトステージで披露された幻のパフォーマンス。「Caught Between」は、同年6月16日にポルトガルのポルトにある歴史的な劇場・コンサートホール、コリセオ・ド・ポルトで演奏され、ツアーの初日公演としてライブで初披露された。
Brian Eno / J. Peter Schwalm – ‘Persis’ (Live)
YouTube https://youtu.be/Fxjon777wXI
配信リンク https://brian-eno.lnk.to/opal-records
Brian Eno – ‘Caught Between’ (Live)
YouTube https://youtu.be/4TgMsWzMLUw
配信リンク https://brian-eno.lnk.to/opal-records
〈Opal Records〉は、従来のレーベルとは一線を画す存在だった。1988年から1991年までの短い活動期間に、ブライアン・イーノをはじめ、ロジャー・イーノ、ハロルド・バッド、ララージ、ジャヴァン・ガスパリヤン、ヒューゴ・ラーゴ、ズヴーキ・ムー、ダニエル・ラノワ、ジョン・ハッセル、ジョン・ケイルらの作品をリリース。アンビエントやジェネラティブ・ミュージック、そしてジャンルの境界を越える音楽が後に発展していく流れを形づくったアーティストたちが〈Opal Records〉から作品を発表した。1991年、イーノは自身の制作活動に専念するためレーベルを休止。〈Opal Records〉のカタログは〈All Saints Records〉へと引き継がれた。
1988年、ブライアン・イーノは〈Opal Records〉について次のように語っていた。
〈Opal Records〉のアーティストたちに共通するものは何か、と聞かれると、簡単な答えを見つけるのは難しい。あえて言うなら、彼らは互いに似ているのではなく、それぞれが独自であり、現代音楽のさまざまなメインストリームからも距離を置いている存在だ。つまり、アウトサイダーのためのレーベルなのだ。そう言うと、彼らは永遠に日の目を見ない存在だと思われるかもしれない。しかし、ポピュラー音楽は常に、ビートルズのような中心からも、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのような周縁からも、その力と豊かさを得てきた。そして時には状況が一変し、かつて周縁にあったものが、いつの間にか中心に非常に近い場所へと移っていることもある。
– Brian Eno (1988)
2026年の今、その最後の言葉は何度も歴史の中で証明されてきた。〈Opal Records〉でイーノが先駆者となったアンビエントやジェネラティブ・ミュージックは、今や音楽文化の中心に位置している。ムードや集中をテーマにしたプレイリスト、アンビエントを広く取り入れたライフスタイルやスリープカルチャー、さらには生成音楽やAI音楽をめぐる現在の議論に至るまで、その影響は広範囲に及んでいる。イーノ自身は、こうした領域にすでに1970年代半ばから取り組んでいた。
〈Opal Records〉は1991年以降、新たなアーティストと契約することはなかったが、レーベルそのものが消滅したわけではない。レコード・ストア・デイ限定作品やアプリ、さまざまな実験的プロジェクトを断続的に発表してきた。今回リイシューされる2作品はいずれも当初から〈Opal Records〉の作品であり、オリジナル発売時には他レーベルにライセンスされていた。『Another Day on Earth』は2005年に〈Hannibal Records〉からイギリスおよびヨーロッパで発売され、『Drawn From Life』は2001年に〈Virgin Records〉からリリースされた。その後、両作品の権利は〈Opal Records〉へ戻り、それ以来長らく流通されていなかった。
『Drawn From Life』は、ハロルド・バッドやダニエル・ラノワ、ジョン・ハッセルらの作品に象徴される、〈Opal Records〉初期のコラボレーションを重視した創作姿勢を受け継ぐ作品。一方、『Another Day on Earth』は、10年以上にわたるアンビエント作品やプロデュース活動を経て、イーノが再び歌の世界へ戻ったアルバム。この2作品は〈Opal Records〉が常に掲げてきた幅広い音楽性を示している。
2005年の『Another Day on Earth』は、当時、『Nerve Net』(1992年)以来となるブライアン・イーノの本格的なソング・アルバムであり、現在も彼の代表的なソロ作品の一つとして高く評価されている。若きジョン・ホプキンスをはじめ、長年のコラボレーターであるネル・キャッチポール、J・ペーター・シュヴァルム、レオ・アブラハムズらが参加。歌詞は、オランダの小説家ミッシェル・フェイバーと、アメリカの発明家ダニー・ヒリスとの共作である。「And Then So Clear」「Caught Between」「Bottomliners」「Bonebomb」などの楽曲は、イーノが滅多に行っていないライブでも演奏するほどファンに人気の高い楽曲であり、そのうちのいくつかは、2021年のロジャー・イーノとのアテネのユネスコ世界遺産アクロポリス公演、2010年のブライトンフェスティバルで行われたアイスブレーカーとの共演、2023年のイーノ史上初のソロライブ・コンサート・シリーズ『Ships』でも披露された。
2001年にリリースされた『Drawn From Life』は、ブライアン・イーノとJ・ペーター・シュヴァルムによるレアなアンビエント・インストゥルメンタル・プロジェクトである。2人はイーノの長年の友人ロルフ・エンゲルを通じて知り合い、1998年にホルガー・シューカイと一緒にドイツのボンで伝説的な即興ライヴを披露した。また、2000年にイーノとシュヴァルムは、夢枕獏の小説を原作とした岡野玲子の漫画作品『陰陽師』を音楽的に解釈したアルバム『Music for Onmyoji』を日本のみでリリースした。『Drawn From Life』にはホルガー・シューカイ、ローリー・アンダーソン、ネル・キャッチポール、レオ・アブラハムズらが参加し、2001年にポルト、ランサローテ、そしてフジロック・フェスティバルでのヘッドライナー出演を含むツアーも行われた。本作以来、イーノとシュヴァルムは、ジョン・タトゥーロとデボラ・カーラ・アンガーが出演したニコラス・ウィンディング・レフン監督(『ドライヴ』『ブロンソン』)の初期作品『Fear X』(2003年)のサウンドトラックも作曲した。
〈Opal Records〉の再始動を記念して再発される『Another Day on Earth』(2005)と『Drawn From Life』(2001)は、CD、LP、デジタル配信で世界同時リリース。国内盤CDには解説書が封入。LPは通常盤に加え、日本限定カラー・ヴァイナルを発売。さらに、日本語帯と解説書が付属する日本限定カラー・ヴァイナルも発売される。なお、『Another Day on Earth』の国内盤CDと日本語帯付き日本限定カラー・ヴァイナルには、歌詞対訳も封入される。また、両タイトルのすべてのフォーマットの初回生産盤には、今回リイシューされる2作品をつなぐ、イーノ本人による最新エッセイを特典として封入される。
※特典エッセイは両タイトル共通
リリース情報:
label : BEAT RECORDS / Opal Records
artist : Brian Eno
title : Another Day on Earth
release:2026.10.16
https://linktr.ee/brianeno_lifeonearth
label : BEAT RECORDS / Opal Records
artist : Brian Eno / J. Peter Schwalm
title : Drawn From Life
release:2026.10.16
https://linktr.ee/brianeno_lifeonearth
