コルトレーン一族の系譜に連なり、2000年代後半のビート・ミュージック・シーンを牽引、現在の電子音楽を代表する鬼才フライング・ロータスが、長らく入手困難となっていた2006年のデビュー・アルバム『1983』を、レコード・ストア・デイにあわせて数量限定デラックスLPとして4月18日(土)にリリースすることを発表した。今回の発表にあわせて、タイトル・トラック「1983」のデジタル配信がスタート。フル・アルバムは4月17日よりデジタル配信が開始される。
『You’re Dead!』『Cosmogramma』『Until the Quiet Comes』といった現代の名盤を含むフライング・ロータスのキャリアは、20年前にリリースされた記念すべきデビュー・アルバム『1983』から始まった。本作は、自身のレーベル〈Brainfeeder〉にとっても原点と言える作品である。祖母の寝室で制作されたという本作には、自身の才能を試し始めたばかりのアーティストによる初期衝動が刻まれている。その才能は、J・ディラの影響、ジャズ、そしてブラジル特有のシンコペーションを独自に融合させたスタイルに表れている。特にブラジル音楽からの影響は、コパカバーナの路上で出会った露天商からのレッスンによって、フライング・ロータスのビートメイキングに大きな変革をもたらした。
こうした学びやジャズの背景、サウンドトラックへの関心、さらに〈Stones Throw Records〉でのインターン経験などが、『1983』のサウンド・コラージュに色濃く反映されている。デビュー・アルバムでありながら、その音は決して新人のものではなく、時代を切り開き、その先頭を走る存在となることを予感させるものだった。その方向性は、当時のレーベル〈Plug Research〉からの「もっと変なものをくれ」という言葉にも後押しされたという。その挑戦は実を結び、『1983』は6枚のスタジオ・アルバムへと続くキャリアの出発点となった。
ロサンゼルス出身のスティーヴ・エリソンは、フライング・ロータスおよびキャプテン・マーフィーの名で知られ、この20年間にわたり21世紀の音楽の形を築き、影響を与えてきた。LAで育った彼は、アリス・コルトレーンやマリリン・マクロードといった音楽的レジェンドを家族に持ち、ビートメイキングからアニメまで幅広い興味を持つ、豊かな創造環境の中で成長した。
2000年代後半には、ジャズ、ヒップホップ、そして未来的で曖昧な要素を融合させる独自の手腕によって、LAビート・シーンを代表するイベント「Low End Theory」を中心に広く認知される存在となる。〈Warp〉からの作品にはデヴィッド・リンチやエリカ・バドゥらが参加し、ケンドリック・ラマー『To Pimp A Butterfly』といった重要作にもプロデューサーとして関わっている。
2000年代半ばに急成長したビート・ミュージック・シーンを牽引し、音楽レーベル〈Brainfeeder〉を設立、そこからサンダーキャットやカマシ・ワシントン、ハイエイタス・カイヨーテ、ルイス・コールといったアーティストを続々と世に送り出し、プロデュースしたサンダーキャットの2020年作『It Is What It Is』ではグラミー賞を受賞したフライング・ロータス。日本人初の所属アーティストとして、長谷川白紙と契約したことも話題となるなど、シーンに多大なる影響を及ぼしてきた。近年の創作活動は、音楽の枠を超え、その多才さを爆発させている。2021年にNetflixオリジナルアニメシリーズ「YASUKE -ヤスケ-」で音楽・製作総指揮で参加したのに続き、ホラー映画『V/H/S/99』で、共同脚本、監督、音楽を手掛け、最近では『ブレイキング・バッド』のアーロン・ポールと『三体』のエイザ・ゴンザレスが出演するSFホラー映画『Ash』を監督し、この作品でも監督と音楽を担当。そして2026年、長年所属した〈Warp Records〉を離れ、満を持して自身のレーベル〈Brainfeeder〉より、待望の新作となるEP『BIG MAMA』をリリースした。
リリース情報:
label : BEAT RECORDS / Brainfeeder
artist : Flying Lotus
title : 1983
release:2026.4.17 (デジタル配信)
配信リンク: https://flyinglotus.lnk.to/1983
TRACKLIST:
01. 1983
02. Sao Paulo
03. Bad Actors
04. Orbit Brazil
05. Shifty
06. Babble
07. Pet Monster Shotglass
08. Hello
09. Untitled #7
10. Unexpected Delight (feat. Laura Darlington)
