昨年のフジロックのホワイトステージにて2024年のベストアクトと呼ぶ声も高い圧巻のライブを披露し、ここ日本でも大絶賛された2ndアルバム『Lahai』が今週10月20日にリリースから2周年を迎えたサンファ(Sampha、最新曲「Cumulus / Memory」をリリース!バック・ボーカルにThe xxのRomyが参加)。そのアルバムのレコーディング・セッション中に制作されたものの、当時は未完成のまま残されていた曲であり、その後の2年間のツアー中などの合間を縫って仕上げた新曲「Cumulus / Memory」が先述の『Lahai』2周年を記念してリリースされた。
セルフ・プロデュースされた2部構成のこのシングルは〈Young〉のレーベルメイトでもあるThe xx(ザ・エックス・エックス)のロミーとの共作で、彼女がバック・ボーカルとしても参加しており、控えめでありながらも気品に満ちたサンファの魅力を余すところなく表現している。
アイヴァー・ノヴェロ賞にもノミネートされたアルバム『Lahai』は、2023年10月20日にリリースされた。タイトルの”Lahai”はサンファ自身のミドルネームでもあり、彼の父方の祖父の名前に由来している。アルバムは生命の循環やその先にあるものと向き合うときに感じる畏怖と神秘を音楽的に昇華し、人間の存在そのものがもつ混沌の美しさを描き出している。全14曲から成る本作には、親しい友人や仲間であるブラック・ミディのモーガン・シンプソン、ユセフ・デイズ、ローラ・グローヴス、イェジ、レア・セン、ココロコのシーラ・モーリスグレイ、イベイー、クウェイク・バスらが参加している。マーキュリー賞を受賞したデビュー作『Process』が、喪失や悲しみの影の中で自らの居場所を模索する作品だったのに対し、『Lahai』は人と人とがつながるさま、そして自分を超えた何かとつながるさまを探求したより共同的な作品だ。『Process』が「世界の中で自分を見つける」ためのアルバムだったとすれば、『Lahai』は「人間であること」を受け入れ、その旅路の中にある美しさと歓びを讃えるアルバムである。
4つの新曲を追加収録したデラックス盤『Lahai』は、その1年後にリリースされた。このデラックス盤には、ロンドンを代表する革新的ラッパー、リトル・シムズとの待望のコラボ曲「Satellite Business 2.0」も収録。The Sunday Timesが「真の野心と深い感傷、美しさを備えた音楽」、The Guardianが「崇高」と評したこのアルバムは、サンファがキャリアの頂点に立ったことを象徴する作品となった。さらにこのリリースを機に、サンファが積み重ねてきた多彩なコラボレーションの流れは一層広がっていく。これまでに彼は、フランク・オーシャン、ケンドリック・ラマー、ビヨンセ、アリシア・キーズ、トラヴィス・スコット、ストームジー、ドレイク、ソランジュ、リル・ウェインといった世界的アーティストたちに、その唯一無二の声、ソングライティング、プロダクションを提供してきた。近年では、フレッド・アゲイン(『ten days』収録「fear less」)、リトル・シムズ(今年リリースされた最新アルバム『Lotus』収録「Blue」)、エヴリシング・イズ・レコーデッド(今年リリースされた最新アルバム『Temporary』で主要コラボレーターとして参加)、ヘディ・ワン(『The Last Ones』収録「Memories」)、ゲッツ(『On Purpose, With Purpose』収録「Double Standards」)などの作品にも参加。さらに、同レーベル〈Young〉に所属するジョン・グレイシア(今年リリースされた最新アルバム『Like A Ribbon』収録「Ocean Steppin’」)やロミー(「I’m On Your Team」)との共演も果たしている。
