音楽配信プラットフォームのSoundCloudが、オンデマンド・レコードおよびCDプラットフォーム「elasticStage」と提携。インディペンデントアーティストがアナログレコードで音源を製造・販売できるオンデマンドサービスを開始した。
近年、アナログレコードは、音楽ファンの間で最も人気の高いフィジカルメディアとなっている。しかし、小規模なファンベースしか持たないインディペンデントアーティストにとって、レコードのリリースはコスト面で非常にハードルが高い。
そのような課題を解決するべく、この新サービスでは、在庫リスクがなく、かつユーザーが売上ごとに報酬を受け取れるelasticStageの受注生産型オンデマンドプリントモデルを採用している。
また、利用方法も至ってシンプルだ。ユーザーは、自分のSoundCloudアカウントで楽曲を選択し、クレジットを追加する。次にアートワークをアップロード後に販売審査に提出する。審査が終わるとアナログレコード専用の販売ページが作成され、販売が可能になるがその際の注文処理や発送、顧客対応はelasticStageが担当する。
SoundCloudによると最低注文数はなく、レコードは1枚から販売でき、初期費用も一切かからない。また、発送先は90カ国以上が対象になるとのことだ。
今回の新サービスについて、SoundCloudのCEO、Eliah Seton氏は次のように述べている。
「2016年以降、レコードの売上は300%以上急増しているが、高い製造コストと物流上の制約により、ほとんどのインディペンデントアーティストはこの成長から取り残されている。アーティストが成功できるよう、つながりと収益化の新しい機会を提供することにコミットしている。この提携は、キャリアのどの段階にいるアーティストでも、持続可能なキャリアを築くためのツールを確実に得られるようにするための重要なステップだ」
また、elasticStageのCEO兼共同創設者、Steve Rhodes氏も次のように述べている。
「世界中のアーティストと音楽ファンにとって、レコードをストリーミングと同じくらいアクセスしやすくするために、オンデマンド・ヴァイナル技術を開発した。レコードは何十年もの間ファンをお気に入りのアーティストに近づけてきたが、現代の音楽クリエイターは高コストと古い慣行によってヴァイナル市場から締め出されている。ミュージシャンがコストやリスクなしにヴァイナルを販売できるよう、これらの障壁を取り除くことが使命だ。SoundCloudのアーティスト中心のプラットフォームとの協力を嬉しく思う」
なお、現時点でのサービス利用対象者は、ウェイティングリストの招待を受けたArtist Proアカウントユーザーに限られるとのことだが、今後さらに対象者が拡大することに期待したい。
source:
https://press.soundcloud.com/251957-from-playlist-to-turntable-soundcloud-x-elasticstage-bring-vinyl-to-artists-everywhere/
https://help.soundcloud.com/hc/en-us/articles/37725370153115-Vinyl-Distribution-with-SoundCloud
Text by Jun Fukunaga
