フジロック2025の初日ヘッドライナーに決定したFred again..が自身のInstagramで発表された今回の来日についての想いを投稿した。
その投稿によるとFred again..は、2014年10月〜11月の1か月に渡り、東京で開催されたレッドブルが世界各地の若く才能溢れるアーティストたちを支援する”音楽学校”「Red Bull Music Academy(RBMA)Tokyo 2014」に参加。その時の経験が現在の音楽キャリアの転換点となったことを明かしている。
当時、Brian Enoも称賛するSylasというユニットにも参加していたFred again..は、”Fred”名義でRBMA Tokyo 2014に参加。来日に際してNTS Radioに出演している。
この時期のFred again..は、Faderなど海外メディアでも取り上げられており、次世代プロデューサーとして注目を集めていた。
— sylas (@syyylas) September 18, 2014
RBMA Tokyo 2014では、デトロイト・テクノの重鎮Carl Craigとの音楽制作や、ハウスミュージックの草創期を知るTony Humphriesの講義に参加する機会を得た。さらにKanye Westの楽曲「On Sight」と「Fade」に参加したイギリスのDJ/プロデューサーのBenji Bとの運命的な出会いについても言及している。
また、東京の小箱クラブでのパフォーマンス後のエピソードについても言及。「自分のパフォーマンスに強い不安を感じていた時、Benji Bが近づいてきて「見た中で最もインスピレーションを受けたものの一つだった」と声をかけてくれた」と当時を振り返っている。
*2/23追記:
当時Fred again..がFred名義で出演していたRBMA関連イベントは「RBMA PRESENTS THE ROOTS COMMANDMENT: TOKYO IN DUB」という代官山UNITで行われたイベント。同イベントにはロンドンのルーツ・パイオニアJah Shakaやニュージーランド最大のダブ・クルーFat Freddy’s Drop、Mighty CrownのCojieが出演していた。

Part of the Jah Shaka 2014 Japan Tour – @RBMA PRESENTS THE ROOTS COMMANDMENT: TOKYO IN DUB
— Jah Shaka (@jahshakamusic) September 26, 2014
SAT NOV 8 @ Unit
Jah… http://t.co/U0PA71BYw3
この経験について、「今でも続けている全てのことを最初に始めた場所が日本だった」と、その重要性を強調しているほか、RBMA Tokyoへの応募書類に使った自身の写真も公開。





ちなみにFred again..は、2019年に東京での思い出を込めて制作された「Valentina (Tokyo)」という楽曲をYouTubeで公開している。
一方、フジロック出演が決定している今年7月の来日について、Fred again..は「フジロックは世界最高のフェスティバルの一つだと、周りの誰もが口を揃えて言う」と期待を寄せている。さらにフジロック以外の日本公演やアジア圏での公演の希望を募っている。



グラミー賞受賞や今年GMO SONIC 2025で来日したSkrillex、フジロック2025で共演するFour Tetといったベテランアーティストたちとのコラボレーションなどを通じて、近年ダンスミュージック/エレクトロニックミュージックシーンで注目を集めているFred again..の出演は、すでにフジロック2025における大きな注目ポイントのひとつとして日本の音楽ファンの間で話題になっている。2014年にRBMA Tokyoの参加者として訪れた日本で、今度は日本最大級の音楽フェスであるフジロックのヘッドライナーとして観客の前に立つことになるFred again..。思い出深い日本でのパフォーマンスは本人にとってもファンにとっても特別な意味を持つものになりそうだ。

なお、Fred again..が参加したRBMA Tokyo 2014には、34カ国から60名のアカデミー生が参加。当時日本からはAlbino Sound、HAIOKA、Sapphire Slowsといった日本人アーティストが参加している。また、関連イベントではRBMA日本人卒業生のYosi HorikawaやDaisuke Tanabeも参加。
この時は日本を代表するテレビゲームの音楽制作者たちに焦点を当てた、RBMAのドキュメンタリー・シリーズ「Diggin’ In The Carts」公開記念イベント「1UP: Cart Diggers LIVE」やカラオケ館 新宿店にて映画『ロスト・イン・トランスレーション』をオマージュしたイベント「Lost In Karaoke」などユニークなイベントが行われている。
*2/23追記
この記事の公開を受けて、RBMA TOKYO 2014に参加していたアカデミー卒業生のHAIOKAは当時のFred again..の思い出を自身のXで以下のように振り返っている。
11年前の忘れられない2週間。Fredは当時からもの凄い才能を持ちながら、とても柔らかくてフレンドリーな人だった。あの人がフジロックのヘッドライナーとして帰ってくる!
— Shintaro Haioka (@HAIOKA_) February 22, 2025
この記事内のValentinaはいまブラジルで第一線のDJとして活躍しているValesuchi。彼女もまたRBMAで。
色々思い出して泣きそう😭 https://t.co/l5Wrdozf6Z
なお、HAIOKAは2024年5月にNHK紅白歌合戦に2度出場、大河ドラマ「新撰組!」メインテーマ歌唱で知られるトップ・テノール歌手、ジョン・健・ヌッツォとコラボレーションアルバム『East Wind』をリリースしている。
text by Jun Fukunaga