グラミー賞にノミネート経験を持つUKの人気ラッパー、Slowthai(本名:Tyron Frampton、29歳)に対し、オックスフォード刑事裁判所は2021年9月に発生した2件の強姦容疑について、無罪判決を言い渡した。

この事件は、Slowthaiがオックスフォードのライブハウス「Bullingdon」での公演後に開かれたハウスパーティーで発生したとされるもの。これによりSlowthaiは、共同被告人のAlex Blake-Walkerとともに、2人の女性に対する計3件の強姦容疑で起訴されていた。

しかし、陪審団は10時間に及ぶ評議の末、両被告人に対して無罪の判決を下した。また、Blake-Walkerに対する1件の性的暴行容疑についても無罪が言い渡されている。

検察側の主張によると、事件当日、被告人たちは公演前に女性グループと出会い、VIPチケットを提供。その後ツアーバスで交流した後、女性の1人の家に移動したとされている。検察はSlowthaiがその場で”携帯電話禁止””男性禁止”というルールを設け、女性たちを友人から隔離した上で、屋上で性的暴行に及んだと主張した。また、2人の被告人が互いを扇動し、ハイファイブを交わすなどしていたとも指摘していた。

一方、両被告人は一貫して無罪を主張。全ての性的行為は合意の上で行われたと述べていた。Slowthaiの弁護人は、検察側の主張には12の重要な問題点があると指摘。依頼人について「ラッパーの典型的なステレオタイプとは異なる、思慮深く謙虚な人物」と擁護した。

判事はこの事件が多くの強い感情を引き起こしたと述べている。また、Framptonの弁護人は、仮に無罪判決が出たとしても依頼人は「永遠にキャンセル(社会的な排斥)される可能性がある」との懸念を示した。

実際にSlowythaiは、この疑惑が2023年5月に表面化した際、グラストンベリーフェスティバルやレディング・アンド・リーズフェスティバルといったUKの有名音楽フェスティバルのラインナップから外されている。また、当時日本で開催されるサマーソニックにも出演が決定していたがそちらのラインナップから外されていた。

なお、Slowthaiは2021年にリリースした2ndアルバム『Tyron』で1位を獲得するなど、アーティストとして成功を収めており、2023年に3rdアルバム『UGLY』をリリースしている。

なお、判決言い渡しの際、法廷には被告人の妻でシンガーのAnne-Marieも同席していたとThe Guardianは報じている。

The Guardian https://www.theguardian.com/music/2024/dec/16/slowthai-cleared-oxford-crown-court

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