iZotopeは、最新AI搭載ミキシングツール「Neutron 5」及び「Neutron 5 Elements」をリリースした。
Neutron 5は、2022年に発売された「Neutron4」から、Unmask、Sculptor、Transient Shaper、Exciter(Trashモード付き)、Gate、Compressor(パンチモードとサイドチェーンメーター付き)、Equalizerなど、バージョン4までの機能を受け継ぎつつも、大幅な機能強化を実現している。
注目すべきは、全11種類のプラグインスイートの導入と、より柔軟になったモジュール構成だ。従来から好評だったMix Assistantも機能を改善し、より多彩なオプションでカスタマイズされた信号チェーンを素早く形成できるようになった。これらの進化により、多様なワークフローとスキルレベルに対応する、より直感的で強力なミキシング環境を実現している。
Neutron 5の目玉となるのは、新たに追加された3つのモジュール。まず注目すべきは新開発の「Clipperモジュール」だ。音量(RMS)を維持しながらピークレベルのみを制御することで、音圧とヘッドルームを最適化する。さらに「Densityモジュール」は、アタック成分を保持しながらダイナミックレンジをインテリジェントに制御し、音に新たな存在感を付加。「Phaseモジュール」は非同期信号や非対称波形の位相を自動調整し、クリアでフルボディなサウンドを実現する。
また、進化したMix Assistantは、バックグラウンドで動作する機械学習技術により、楽曲に最適な信号処理チェーンを提案。改良されたAssistant Viewと組み合わせることで、より直感的な操作で素早くサウンドメイキングが可能となった。新たに搭載されたMid/SideやTransient/Sustainのチャンネルモードにより、より繊細な音作りにも対応する。
視認性と操作性を重視して刷新されたインターフェースは、より明確でカスタマイズしやすいデザインを採用。すべてのモジュールにDeltaボタンを搭載し、エフェクト処理前後の音の違いを瞬時に確認できる。
より手軽に高品質なミキシングを実現したい初心者向けに、基本機能に特化した「Neutron 5 Elements」も同時リリース。こちらはAssistant View機能のみのアップデートとなるが、プロフェッショナルな音作りへの第一歩として最適だ。なお、上述した新モジュールなどの高度な機能を使用するには、上位版となるNeutron 5が必要となる。
従来の定評ある機能と新たに追加された3つのモジュールにより、音楽制作のワークフローを一新する画期的なツールとして進化したNeutron 5。現在は発売を記念したイントロセールを開催中。2024年11月13日までNeutron 5を税込29,120円(通常価格:税込41,600円)、Neutron 5 Elementsを税込8,500円(通常価格:税込5,950円)で購入できる。
Neutron 5とNeutron 5 Elementsの詳細はiZotopeの公式サイトにて。
Neutron 5の主な新機能
- 新Clipperモジュール
直感的なマルチバンドオプション搭載
オーバーサンプリング対応
音量を保ちながらピークレベルを最適化 - 新Densityモジュール
インテリジェントなアップコンプレッション
アタック成分を保持したまま音の存在感を強化
ダイナミックレンジの精密なコントロール - 新Phaseモジュール
非対称波形や非同期信号の自動修正
トラックの振幅を自動調整
複数音源の位相/遅延を自動調整 - チャンネルモードの拡張
Mid/Side処理に対応
Transient/Sustain分離処理に対応
全モジュールでの使用が可能 - インターフェースの改善
全モジュールにDeltaボタンを搭載
より明確なビジュアライゼーション
カスタマイズ性の向上 - アシスタント機能の強化
より柔軟なMix Assistant
改良されたAssistant View
カスタム信号チェーンの容易な作成
新製品Neutron 5を発表します。
— iZotope 日本公式アカウント (@iZotopeJapan) October 29, 2024
音量やアタック感に影響なくダイナミクスをコントロールしたり、位相問題を解決する3つの新プラグインに加え、旧モジュールを含めたチャンネルモード搭載によりアシスタントも飛躍的に進化。
ワールドクラスのミキシングスイート誕生です🤘https://t.co/GyJql8MLTH pic.twitter.com/MAPPOwjYsv
text by Jun Fukunaga