株式会社デジタルガレージ(DG)は、故坂本龍一の遺志を継承する「坂本龍一ネットワークスタジオ構想」を発表した。この構想は、坂本氏が生前愛用していた楽器や音楽機材を活用し、次世代のアーティスト育成と環境保護活動の融合を目指すプロジェクトだ。

DGと坂本氏の交流は1980年代にさかのぼる。映画「戦場のメリークリスマス」(1983年)での協力を皮切りに、インターネット黎明期のプロジェクトや環境保護活動など、音楽の枠を超えた幅広い分野で協力関係を築いてきた。具体的には、「デジタルガレージ ファーストペンギンアワード 2017」の坂本氏の受賞や、DG25周年を記念したオリジナル楽曲「DG25」の提供など、多岐にわたる交流がある。

DGは神奈川県横須賀市の「DG CAMP AKIYA Yokosuka City」内に「アーティスト・イン・レジデンススタジオ」を2025年春(予定)に開設する。このスタジオでは、坂本氏の楽器や機材を使用でき、アーティストが滞在しながら作品制作に取り組める環境を整備。最先端の音楽・映像制作設備を備え、アーティストやエンジニアの育成プログラムも実施が予定されるなど、坂本氏の精神を継承しつつ、音楽と環境保護の融合を追求する新たな拠点を目指す。

また、2025年2月には「坂本龍一ネットワークスタジオ構想」の詳細が発表される予定だ。最新の通信ネットワークやDAO(分散型自律組織)を活用した国内外のスタジオとの連携、環境保護を掲げる坂本龍一財団との協力など、幅広い展開が視野に入れられている。また、トリビュートコンサートやソフトの配信なども計画されている。

坂本氏のご遺族は、「坂本の楽器や機材のCASAが秋谷に、東京にできることになります。そこから世界へとつながり、たくさんの新たな才能が生まれることを期待しています」とコメント。

また、DGの林郁CEOは、「このスタジオ構想を通して、坂本さんの”音”と”心”をグローバルな次なる世代につなげ、このプロジェクトで坂本さんと共振する新たな才能が生まれることを楽しみにしています」と述べている。

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