世界中の音楽クリエイターとレーベルなどのバイヤーが未発表楽曲を売買できるデジタルマーケットプレイスを提供する「SURF Music」が、米国ビジネス誌『FAST COMPANY』が選出する「World’s Most Innovative Companies(世界で最も革新的な企業)」を初受賞した。

同賞は、世の中に大きな変革をもたらす企業を讃えることを目的に2008年に始まり、昨年はマクドナルド社やマイクロソフト社といった大手企業から、ChatGPTを提供するアメリカのOpenAIやスニーカーブランドとして日本でも広く普及したHOKAのような企業が受賞しており、さまざまなジャンルで時代を牽引するグローバル企業が選ばれている。

2024年版の発表について、Fast Companyの編集長・Brendan Vaughanは、「革新的な経済イノベーションと2024年を象徴するビジネストレンドの融合」と述べており、昨年はあらゆる分野で革新的な技術変化が見られた一方、AI分野の成長、ライブイベントの復活、気候技術の大きな進歩など、いくつかのパターンが見られたと付け加えている。

また、2024年はSURF Musicの他にも、人気K-POPグループBTSの輩出で知られる韓国の大手総合エンターテインメント企業「HYBE」やTaylor Swiftのプロダクション会社「Taylor Swift Productions」といったエンターテインメント企業が、YouTubeやMicrosoft、Taco Bellといった大手企業と並んで受賞した。

今回SURF Musicが受賞した「Small But Mighty(優れたスタートアップ)」部門での選出について『FAST COMPANY』は、「ミュージシャンが制作した楽曲の新しく画期的なマネタイズの方法をもたらした」と評価をしている。

世界27か国以上のユーザーが制作した楽曲が集まるSURF Musicでは先日、オリコンチャートで2位を記録し「Billboard Japan Hot 100」でもトップ10入りを果たした9人組グループ・SUPER☆DRAGONの「New Rise」と「Breakdown Anthem」の2曲が生まれたばかりだ。これらの曲は、SURF Musicのプラットフォームでイギリス、スウェーデン、韓国、日本のクリエイターによって制作されている。

今回の受賞について、SURF Music CEO 小堀ケネス氏は次のようにコメントしている。
「SURF Musicのサービス提供開始からおよそ1年余りで、今回のFast Companyの「世界で最も革新的な企業」に選出され、大変光栄に思います。SURF Musicのプラットフォームは、β版の提供を経て正式ローンチした2023年3月以降、AIを使った同時翻訳などの機能や、クリエイター同士が自由にコラボできるSURF Session機能などの提供により、欧米とアジアの音楽シーンの架け橋になることで、世界中での登録ユーザーは979%の増加率を記録しています。今後もSURF Musicはテクノロジーを介して、音楽クリエイターが世界中のバイヤーと繋がり、自由で健全な創作活動ができる環境を提供することで、音楽業界の再活性化を目指していきます」

またSURF Musicは、アメリカ・テキサス州の『SXSW』にも2年連続で参加。Innovation Awardのファイナリストに選出された2023年に引き続き、2024年は現地時間11日(火)開催された『SXSW 2024』にもパネリストとしてディスカッションに登壇した。「Demystifying Japan: The World’s Second Largest Music Market」と題し、CopetinのTamayu Takayama氏とUltra Publishing/Helix RecordsのElisa Watanabe氏とともに、小堀ケネス氏が日本の音楽業界の構造について欧米のオーディエンスに向けて語っている。

2023年末時点でのSURF Musicの自社データを振り返ると、ユーザー内訳の割合はクリエイターユーザーが63.8%、A&Rなどのバイヤーユーザーが36.2%となっており、「英語」がメインの言語設定のバイヤーユーザーが半数以上で、ユーザーの分布はアメリカ、日本、韓国、イギリス、カナダということからも、世界中のクリエイターやバイヤーと繋がる可能性を多く含んだサービスであると読み取れる。詳しくはこちらをチェック。

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