アメリカ・ラスベガスの警察当局は、現地時間9月29日に1996年に当時25歳だったラッパーの2パック(2Pac)ことトゥパック・シャクール(Tupac Shakur)の殺害事件に関与したとして、ギャングの元リーダー、“キーフィー・D(Keffe D)”の異名で知られるデュアン・デービス(Duane Keith Davis)容疑者(60)を殺人容疑で逮捕、起訴されたと発表した。

警察当局は2023年7月にデービス被告の関連先として、ラスベガス郊外にある彼の妻の住宅を銃撃事件に関する捜査の一環として捜索。9月29日の朝にデービス被告はラスベガスで逮捕された。

2パックは死後にハリウッドの殿堂入りを果たしているほか、死後も多数の未発表音源が発掘され、リリースされている。また近年は伝記映画『オール・アイズ・オン・ミー』が制作されるなど、現在でもヒップホップのアイコンとして知られる伝説的ラッパーだ。

2パックの事件での逮捕・起訴は今回が初めて。CNNなどによると、デービス被告はカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするギャング「サウスサイド・コンプトン・クリップス(South Side Compton Crips)」の元リーダー。当時、2パックが契約していたレーベルの「デス・ロー・レコード(Death Row Records)」と関係が深いギャング「モブ・ピル(Mob Piru)」と抗争を繰り広げていた。

1996年9月、両ギャングのメンバーはラスベガスでマイク・タイソンのボクシングの試合をそれぞれ観戦。その際に2パックの仲間らがデービス被告のおいを試合会場だったホテルで見つけ、暴行したという。捜査当局はその報復としてデービス被告らが2パックを銃撃したとみている。

2パックはボクシングの観戦後、乗っていた車が信号で停車したところを隣の車から銃撃された。デービス被告とおいが他の2人とともに銃撃した車に乗っていたとみられている。発砲した人物は明らかにされていないが、捜査当局はデービス被告が首謀者とみている。4発の銃弾を受けた2パックは、その6日後に病院で死亡した。

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