アルバム『勝手にしやがれ!(Never Mind the Bollocks)』で知られるパンクバンド・Sex Pistolsをテーマにした伝記ドラマ『Pistol』の監督を映画『トレイン・スポッティング』で知られるダニー・ボイルが監督することが発表された。
『Pistol』は、全6編で構成されるドラマでSex Pistolsのメンバーで、ギターを担当したSteve Jonesの半生を描いたもの。2018年にSteve Jonesが発表した回顧録『Lonely Boy: Tales from a Sex Pistol』を原作した本作は、米ケーブルテレビ局FXのリミテッド・ドラマ・シリーズとして制作されるもの。
ダニー・ボイルは、監督兼製作総指揮を務め、Steve Jonesを映画『ベイビーティース』のトビー・ウォレスが演じる。また、Johnny RottenことJohn Lydonを『1917 命をかけた伝令』のアンソン・ブーン、Sid Viciousを『エノーラ・ホームズの事件簿』のルイス・パートリッジが演じることが発表されている。
また、『Pistol』の事前PRには、「西ロンドンの公営団地から、ヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンが手掛けた悪名高いキングスロードのファッション・ブティック“SEX”、そして、史上最も影響力を持つアルバムの1つとして挙げられることの多い“勝手にしやがれ!(原題:Never Mind the Bollocks)”のリリースに伴う国際的な論争などを描き出している。彼らのシングル‘God Save the Queen’は、BBCによって放送が禁止され、英NMEのチャートでは首位に輝きながら、公式のUKシングル・チャートでは2位となり、この曲が意図的に首位から外されたことへの非難を生んだ。君主制国家への攻撃を避けるために、全英チャート史上唯一、この曲は空欄でリストに掲載された」とあり、ダニー・ボイルは、バンドの成功について以下のように述べている。
「仲間と一緒に“ザ・クラウン”と“ダウントン・アビー”の世界に進入して、彼らが象徴するすべてのものに、歌と怒りを絶叫することを想像してみてください。これはイギリスの社会と文化が永遠に変わった瞬間です。それはイギリスのストリート・カルチャーの起爆点であり、平凡な若者たちがステージに立ち、彼らの怒りとファッションを爆発させるようになり、そして誰もが彼らを観て、聴かなければならなかった。誰もが彼らを恐れるか、もしくは真似ていた。それがセックス・ピストルズなんです。その中心にいたのが、史上最高のギタリスト・ランキングで94位に選ばれているスティーヴ・ジョーンズであり、この作品は、彼がいかにして、彼自身の言葉を借りれば、“若く魅力的で、教養はないが盗癖のある時代の寵児”になったのかを描いたものなんです」