Epic GamesによるApple批判にSpotify、Facebookも同調! 音楽ファンへの影響も!?

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『フォートナイト』を提供するEpic Gamesが、Appleがアプリ内課金時に受け取るAppStoreの手数料を問題視し、それに対するApple側からの報復措置への反発として訴訟を行なったことが報じられているが、このApple批判にSpotify、Facebookが加わった。




engadgetによると、SpotifyはテックニュースサイトRecodeのピーター・カフカ氏を通じて、以下のような声明を発表。

我々はEpic Gamesがアップルと対決する姿勢を示したこと、アップルが独占的地位を乱用していることにさらなる光を当てたことに拍手を送ります。アップルの不公正な行為は、あまりにも長い間、競合他社に不利益を与え、消費者を搾取してきました。消費者とアプリ開発者の大小を問わず、これ以上の大問題はなく、iOSプラットフォームの競争的かつ公正な運営を実現することは、広範囲におよぶ意義を持つ緊急の課題です。

こうしたSpotifyによるEpic Games側の批判に対する同調は、かねてからのAppleとの因縁が関係しており、Spotifyは、以前、アプリ内での課金システムを変更しようとしたアップデートをApp Storeに拒否されたこと、App Storeで30%もの手数料を取得している行為が公平な競争を阻害しているとして欧州委員会に訴えている。




またApple批判に加わったFacebookは、同社SNS内に有料オンラインイベントを実施できる機能を実装した際に、AppleがiOS版アプリ内で30%の手数料を取る姿勢を崩さず、新型コロナ禍の中で苦しむ中小企業の利益を損なう可能性があると主張ししている。

Facebookの新機能では、企業やクリエイター、教育関係者はオンラインイベントを主催し、価格を設定し、支払いを徴収が可能で、動画ストリーミングサービス「Facebook Live」を通じて大規模なイベントも開催できる。

しかし、iOSアプリを通じた参加者からのイベント料金支払い、すなわちアプリ内購入の手数料をFacebookは問題視。Facebookでは、中小企業やクリエイターを支援するため、少なくとも2021年の有料オンラインイベントから手数料を徴収せず、同社の決済機能Facebook Payを使った場合はイベント料金の100%が中小企業に渡されることが前提になっているからだ。

そのため、アプリ内購入の手数料から30%のAppStore税(手数料)を得る場合、中小企業には実際には収益の70%しか支払われない。このことに対し、Facebookは、AppStore税を減らすか、アプリ内でFacebook Payの選択肢を提供し、新型コロナ禍の中で苦労している企業のために全てのコストを吸収できるようにしてほしいと要請したが、Apple側はこれを却下したとのこと。




問題になったEpic Gamesの独自の課金方法では、自社から直接買う方式を選んだ場合には20%安くなるアップデートが行われている。そのため、もしAppleがAppStore税を下げた場合は、SpotifyやFacebookのアプリ内課金料も値下げされることも考えられる。またFacebook Liveによるライブ配信に対するファンからの課金も従来より多く、アーティストの手元に届く可能性がある。

コロナ禍以降、多くのサービスがオンラインに移行している今、Appleの業績はテレワークやオンライン授業の増加を追い風に絶好調だ。そういった背景もあり、従来のAppStoreポリシーを堅持することには、コロナ禍に喘ぐ中小企業からの搾取と思われかねない節もある。

アーティストがコロナ禍で金銭的に厳しい現実で直面する一方、それを支持するファンの経済状況も景気の後退により、以前と同じとはいかない部分もあるだろう。その意味でこのAppStoreをめぐる一連の動きは、音楽ファンにとっても安易に無視できない問題だ。




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