音楽メディアFactが、昨今の黒人差別への抗議に連帯する形で、ブラックカルチャーとテクノの関係を追ったドキュメンタリー『Black to Techno』を紹介している。
『Black to Techno』は、イギリスのナイジェリア系映画監督のJenn Nkiruによる2019年のドキュメンタリー作品で、ファッションブランドのGucciとイギリスの現代アート雑誌「Frieze」のコラボレーションによる「Second Summer of Love」シリーズのひとつ。同作ではテクノに関する”モーターシティ”として知られるデトロイトの自動車産業の遺産やモータウンのアーティストたち、街のアイコンであったAretha Franklinの影響にも触れている。またJenn Nkiruは、テクノの起源を語るだけでなく「宇宙の考古学」といえるような作品に同作を仕上げている。
ヒップホップ、R&Bだけでなく、とりわけオリジネターのJuan Atkins、Kevin Saunderson、Derrick Mayらを輩出するなどブラックカルチャーとは縁が深いデトロイトのテクノシーン。今一度、ブラックカルチャーとクラブミュージックのつながりを確認しながら、黒人たちに対する人種差別について考えを深めるためのきっかけを自らの中に見出してほしい。