アルヴァ・ノト、リッチー・ホーティンが見せた未来 | MIRAI TOKYOライブレポート

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未来とは、その瞬間よりも時間が進んだ状態を指す言葉、私がこの文章をタイプしているときよりも、読んでいいるあなたは未来にいる、未来東京でアルヴァ・ノト、リッチーホーティンのパフォーマンスはどのような未来だったのか、過去の体験をここに文章として書きたいとおもう。

今回のパフォーマンスでは、オーディオ・ヴィジュアルがテーマであった。音と映像、つまり視覚と聴覚に対してアプローチをおこなう、これまでもパフォーマンス中に映像を流す演出は数多くあったが、今回は音と映像が完全にリンクしており、演奏にシンクロしていた。






先に登場したアルヴァ・ノトは、シンプルな音が複雑に配置されたトラックを表現するように、映像も点・線・四角・丸などの単純なオブジェクトに、歪みや彩度・色相などをエフェクトとして何層にも折り重ね、オーディエンスを引き込んでいった。展開が進むにつれ、肉付けされたトラックに呼応するように、映像も踊りだす。プロジェクターから映し出される映像だったものは、いつしか意識の中に溶け込み、これまで何度も味わってきた音楽を聴いて踊るという快楽に、新しいなにかしらの影響をあたえてくれた。





後にプレイをおこなったリッチーは打って変わって、とてもフィジカルな表現だった。自身のプレイをリアルタイム撮影し、エフェクトをかけ映し出す。シンプルなアプローチだが、今回のCLOSEと名付けられた演目では、多数の機材をつかったライブがおこなわれる、無数のつまみやフェーダーを操作するリッチーの動きに合わせキックを打ちベースが響きメロディーが生まれハイハットが走りだす、その動きすべてが巨大なモニターから視覚に届く。マスタークロックとなったリッチーから音と映像が生み出された表現が空間を支配していくのであった。

すばらしい体験を感謝。



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