「誰もが経験し、必ずや懐かしさを感じる小学校という場所で、聴く側も演奏する側も、好きな音楽を好きなだけ楽しめる」というコンセプトを掲げた、ユニークな林間学校型音楽フェスティバル「High校Camp」

このイベントは、群馬県みなかみ町にある泊まれる学校さる小にて、9/2(土)-9/3(日)に行われる、文字通り”小学校”に参加者が宿泊し、童心に返りながら音楽を中心に様々なアクティビティーを楽しむことができるイベントだ。

同イベントは、東京・渋谷で行われていたクラブイベントが前身で、2013年から会場を”泊まれる学校さる小”に移し、それ以来毎年夏に開催されている。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

群馬県みなかみ町といえば、山々に囲まれた「猿ヶ京温泉」が有名な都内からも2時間程度でアクセスも良好な観光スポットでもある。そして、そんな絶好のロケーションで今年で4回目を迎えることになった「High校Camp」とは果たして一体どのように楽しむ音楽イベントなのだろうか? その楽しみ方や魅力について、主催者であるHigh校Camp実行委員会メンバーに話を聞いてみた。



👉音楽が好きな大人たちの集まれる場所

まず、先述のとおり、「High校Camp」は元々は渋谷で9年間という長い期間行われていたロングランパーティー「Out Of Tune」が前身となっており、そこに参加していたメンバーたちがある考えのもとに新たにスタートさせたイベントだ。

▷High校Camp実行委員会(以下H):
クラブで9年イベントを開催していたのですが、10年目に別の場所で始めたことがきっかけですね。10年もやっていると主催者・参加者含め、やはり年齢も上がってきます。その期間の中で家庭を持つ人もでてきたり、仕事もこれまでと違い職場でポストについたりということもあったりするので、これまでと違い、イベントに参加できる人、そうでない人というのがクッキリと別れてきました。

そういう事情や状況という垣根をなくして音楽が好きな人たちが、年に1度くらいは集まれるイベントをやりたいということを考え、音も出せてキャンプができる場所を探したところ見つけてきたのが”さる小”なんです。ただ、そこでも音楽イベントをやるということは初の試みだったらしくて、コミュニケーションをとりつつ、試しながらという感じでイベントをスタートさせたんです。

1年目はプレ・イベントとしてチケットは販売せずにみんなでバスに乗って、会場でBBQしたり音楽を聴いたりと身内でワイワイという感じでしたが、そこで参加者の反応や音がどの程度出せるかを確認しました。

ただ、会場となる”さる小”はすごく広く、身内だけでやると持て余すんですね。せっかく色々なスペースがあるのに一区画だけではもったいないと思ったし、それなら規模を広げて多くの人に集まって楽しんでもらえたらいいなと考えたんです。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

そもそも会場自体が学校が元になったものというユニークなものであり、自分たちがその面白さにガツンとやられたことで、それをみんなに楽しんでもらいたいと考えた主催者たち。大人になった今だからこそ感じるものがあったそうだ。

▷H:
小学校でやるということにやはりテンションがアガりましたしね。童心に返って遊べるというか。お酒を飲んだり、好きな音楽を大きな音でかけまくったりとかって、基本的に学校ではやってはいけないことじゃないですか? それを大人になってからやるというのは学生時代では考えられないことで、それが故の面白さがありましたね。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

それにこういう形だとさっき言ったように、環境が変わってなかなかクラブに遊びに行くことができなくなった音楽好きの人でも、家族連れで参加しやすいのでは? と思いました。そういう点で考えたら名前も”フェス”というよりは”キャンプ”の方が良いなと思ったんです。だから、このイベントの名前には、「参加した人同士の家族が交流できたらいいな」という想いが込められているんです。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

👉都内から2時間半ほどでアクセスできるロケーション

会場へのアクセス方法は3パターン。1つ目は車で行く方法。2つ目はバス。所要時間は都内からならおよそ2時間半くらいとなり、バスを利用する場合は、運営側で用意した新宿発の貸切バスもあるとのこと。そして、3つ目は電車。新幹線で最寄り駅となる上毛高原駅まで行き、そこからローカルバスでのアクセスも可能だ。そんな会場付近のロケーションは大自然を楽しめる充実したものになっている模様。

▷H:
”さる小”は猿ヶ京温泉街という場所の一角にある小学校という感じで、いわゆるレイヴが行われるような山奥という感じではなく、そこまで秘境的な感じはないですね。近くには赤谷湖という湖やバンジージャンプを楽しめるスポットもあります。他にも川下り、そして温泉街ということで温泉も楽しめるロケーションになっています。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩



👉総勢80組以上のDJ・VJ・バンドが出演

音楽イベントということでやはり参加者が気になるのはその出演ラインナップだ。今年はバンドが8組~9組、DJ、VJが80組ほどが出演するものになる予定だそう。

▷H:
出演者の中で特に注目すべきバンドを挙げるとすれば、1つは、THREE1989です。このバンドは8月末にアルバムリリースがあり、その直後のリリースツアーの一環として出演してもらうことになっているので注目です。

あとは、ドラムとボーカルギターというちょっと珍しい編成のmadmantails、新曲リリースを控えているmilk、それと元The SAMOSのRaymondによる新バンド、The Lazarusというエレクトロ・ロックバンドにも注目してほしいですね。

DJだと、やっぱり初年度から参加してもらっているKentaro Takizawaです。彼は本当にこのイベントを気に入ってくれていますし、毎年イベント出演のためにスケジュールを空けてもらっているくらいなんです。

それとVJが映す映像にもこだわっています。教室の壁一面の白いカーテンに映像が映し出されるので、その映像に囲まれながら音楽を聴くという体験ができるのもこのイベントならではのユニークかつ魅力的なポイントですね。他にも都内を中心に活躍するバンド、DJらや地元からの出演者もいるので、バラエティーに富んだラインナップになっています。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

👉音楽以外の要素も充実

このように音楽面では非常に充実したものになっているイベントだが、それ以外のアクティビティーも存分に楽しめるのがこのイベントの大きなポイントだ。特に会場ではフード販売やドリンクの充実ぶりにも力を入れており、そして学校ならではの楽しみを体験できるものがあるという。

▷H:
近くにコンビニなどもあったりもしますが、もちろん会場内でもお酒やフードを販売するブースを用意しています。出店するのは東京の焼き鳥屋さん、クラブだったりと様々です。例えばフードだったらジャークチキンといったものもがあったり、基本的には会場内にいるだけでご飯も食べられるし、お酒も飲めるといった感じですね。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

また、会場が学校ということで様々な校舎の施設を利用することができます。当日、晴れた場合はプールで遊んだり、運動場でテントを張ったりすることもできますし、キャンプファイヤーも行いますよ。それと特におすすめしたいのはなかなか珍しい「五右衛門風呂」です。近場の温泉施設もありますが、校内でも入浴ができるんです。

あと図書室で本や漫画を読んだりもできますし、何よりも大きなポイントは学校内に泊まれるということです。教室に泊まるというのはなかなかできない貴重な体験だと思います。

そして、今年はプロの噺家さんによる怪談も行われます。学校で怪談を聞くのは雰囲気が出ておもしろいと思いますよ!

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

👉去年よりさらに充実したホスピタリティー

学校にマッチした音楽以外のアクティビティーも多数用意されているが、今年はよりホスピタリティーの充実を図ったりとイベントとしてのアップデートも行われるようだ。

▷H:
1番大きいのは、お客さんに対するホスピタリティー面ですね。今年で4回目の開催となるのですが、我々のイベントには女性の方の参加者が非常に多いんですね。それと去年もでしたが子供連れの方も多かったということもあって、子供部屋を用意したり、授乳室を用意したりと、そういう方たちが安心して楽しめるような環境を整えています。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

他にも夜食などフードブースの出店数を去年よりも増やしました。また、ドリンク、特にお酒に関してもメニューが充実した内容になっています。そういうことでいえば、今年はより”学校で遊べる”ように内容をアップデートしています。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

そして、ステージの組み方の変更もありますね。例えば、去年はフード販売ブースのみで無音状態だった「中庭」というスペースが今年はドリンク、フードを買ってそのまま、音楽を楽しめるようにブースを設置することにしました。

また、ステージとなる教室毎に教室長という形でオーガナイザーを立てているので、それぞれ音楽的なカラーが分かれ、より音楽を広く楽しめるようになったという点も去年との違いですね。それはまさに学校と同じように教室毎に色々な生徒がいて、それぞれの特徴があるというように、教室毎に別のイベントに遊びに来ているという感じだと思います。

Photo by High校Camp / Asami Watanabe

👉「大人の林間学校」として楽しむ

なるほど。これまでの開催の経験を活かし、これまで以上に参加者が楽しめるような配慮もぬかりなく行われる今年の「High校Camp」。簡潔にその魅力を説明するとしたら「大人の林間学校」という答えが返ってきたが、その大人の林間学校はどんな人におすすめなのだろうか?

▷H:
先ほどもお話ししましたが、やっぱり1番はこのイベントを始めるきっかけになった最近はなかなかイベントに参加できないような音楽好きの人ですね。そういう人は是非家族連れで参加して頂きたいです。

イベントではロックや、ハウス、テクノといったダンスミュージックはもちろんアニソンなども一緒に楽しめる内容ですし、根っからの音楽好きになら存分に遊んでもらえると思います。それとテントを張ったりとキャンプ的なアクティビティーも楽しんでもらえるので、アウトドア好きな人にもおすすめです!

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

もちろん、そうはいっても、初心者には難しいと思われるような、変に野外すぎるということはないので、アウトドアは苦手だという人、普段はインドアのクラブしかいかないという人でも存分に楽しんでもらうことができます。

それと出演者の音楽的なジャンルも違うので、普段自分が聴かないようなジャンルが好きな人たちともつながりを持つことができるというところもこのイベントの楽しみ方のひとつですね。大人が色々な意味でまた新たに学校行事を体験できる、その時だけ童心に返ることができるということも、このイベントの魅力です。

今年の「High校Camp」では、「誰もが体験した”小学校”に大人になってから戻ってきて、また新しい何かがそこで始まる」という感覚を共有できたらと思います。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩


👉5年目という節目に向けて

来年は初開催から5年目という節目の年でもあり、まだどういう形で行うかなど具体的なことは現時点では決まっていないものの、よりステップアップしたイベントを目指すプランがすでにあり、次回は、みなかみ市、猿ヶ京の地元の方たちともなんらかの形でパートナーシップを組みながら接点を深め、沢山の人に参加してもらえるような間口の広いイベントにすることを目指している「High校Camp」。それにつながる1歩となるだけに、主催者たちの今年のイベントにかける想いは強い。

Photo by High校Camp / 安藤貴浩

このインタビューを読み、普段とは違った自然に囲まれた「学校」という特別なロケーションで心いくまで音楽を堪能してみたいと思った人は是非イベントへ参加してみては?

夏だけ行われる特別な「大人の林間学校」である「High校Camp」の詳細は下記のとおり。

▶︎Event info
High校 Camp 2017

[日程] 2017年9月2日(土)~3日(日)
[会場] 泊まれる学校さる小(〒379-1404 群馬県利根郡みなかみ町相俣1744-15)

OPEN&START 9月2日 12:00 CLOSE 9月3日 11:00
※エントランスの対応時間は9/2(土)12:00-20:00です。20時以降の入場、9/3(日)だけの入場はできません。
※セキュリティのため、20時以降の会場への再入場は不可とさせていただきます。
※バスをご利用の方は、3日12:00に新宿行きのバスが会場となるさる小から出発します。16:00に新宿到着予定です(当日の交通状況により到着時間が前後する可能性がございます)。また、帰りのバスにつきましても、往復送迎バス券チケットのご購入が必要になります。

入場料:¥5,000 ※往復送迎バス、場内駐車場、寝具などをご利用の場合は別料金となります。
各種チケット販売:
https://ticketpay.jp/booking/?event_id=7902

[交通手段]
・バスをご利用になる方
新宿工学院大学前に9:00にご集合下さい。イベント名の書かれた看板を持ったスタッフがおります。
バスの出発9:30を予定しております。出発時刻に間に合わなかった場合、バスに乗車することができません。
余裕を持って集合場所にお集まりください
※バスに乗れなかった場合のキャンセル、チケット料金の払い戻しには応じられません。
※遅刻者をお待ちすることはご遠慮させて頂きますので、遅れない様お気を付け下さい。
※「入場券」、「往復送迎バス券」の購入が必要です。

・お車でお越しになる方
会場内に駐車場がございますので、ご利用下さい。
※「入場券」、「会場内駐車場券」の購入が必要です。

■東京方面から

練馬I.C(関越自動車道90分)→月夜野I.C(R17 20分)→猿ヶ京小学校

■新潟方面から

新潟西I.C(北陸・関越自動車道110分)→月夜野I.C(R17 20分)→猿ヶ京小学校
※「相俣」の交差点を曲がってください。

・電車でお越しになる方
最寄駅からの送迎はございませんので、各自会場までお越し下さい。
※「入場券」をご購入ください。

More info:
http://www.gaion.tokyo/

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Text by Jun Fukunaga
Top image via High校 CAMP
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