Abletonが音楽制作ソフト「Live」の最新バージョン「Live 12.4」のパブリックベータ版を公開した。アップデートでは、制作やコラボレーションの可能性を広げるLinkオーディオをはじめ、デバイスのアップデート、ステム分離の改良、Learnビューの導入など、Live全体の体験を底上げする数多くの新機能が追加されている。
新機能「Linkオーディオ」は、ローカルネットワーク上にある対応デバイス同士で、リアルタイムにオーディオをストリーミングできる機能。Linkオーディオを使用することで、他のプレイヤーやアプリから送信されるオーディオがLive内の入力として直接表示されるようになる。また、追加のハードウェアやケーブル、手動でのレイテンシー補正を行うことなく、モニタリングや録音が可能になる。
Live 12.4のリリースに合わせ、関連機材の「Move」と「Note」もバージョン2.0として公開された。MoveとNoteでは新たに「オーディオトラック」が追加され、ライブラリからのサンプル読み込みが可能となった。また、Liveの定番エフェクトであるAuto ShiftとErosionも両製品に追加されている。
さらにMoveではMIDIトラックをオーディオに変換する機能に加え、マイク、ライン入力、USB-C経由での録音にも対応した。また、入力音声をMove内蔵のエフェクトチェーンを通してモニターすることで、MoveをFXデバイスとして活用することも可能となっている。ただし、MoveとNoteにおけるLinkオーディオ機能は単方向(送信のみ)の仕様であり、メイン出力だけでなく個別トラック単位での音声送信にも対応する。
一方、「Push」も、Live 12.4によって機能が強化された。Linkオーディオへの対応に加え、Push上からのMIDIコントローラーマッピングの作成や編集が可能になり、コントロールスクリプトのカスタマイズにも対応した。スタンドアロンのPushでは、Linkオーディオを使って他の対応デバイスとオーディオを共有でき、個別チャンネル単位での送信も行える。さらにMax for Liveデバイスに「Visible」オプションが追加され、LFOのモジュレーションやCV Instrumentのキャリブレーションなど、より多くのパラメータをPush上で直接操作できるようになった。
また、Liveのデバイスやワークフローにもアップデートが行われている。エフェクト「Erosion」が刷新され、リアルタイムのスペクトラム表示や、サイン波とノイズによるモジュレーションのブレンド機能が追加された(旧バージョンは「Erosion Legacy」として名称変更)。加えてChorus-EnsembleやDelayの機能拡張も行われている。
さらにLive 12.3で導入された「ステム分離機能」も改良され、アレンジメントビュー上でクリップの一部分だけを選択して分離したり、分離後のステムを1つのトラック内にまとめて配置したりすることが可能になった。そのほかに従来のヘルプビューに代わり、ビデオとテキストで操作を学べる「Learnビュー」が新たに導入された(現在は英語のみ)。
なお、Live 12のライセンス所有者は、Abletonのベータプログラム(英語のみ)に登録することで、「Live 12.4」の新機能を先行して試すことができる。
text byJun Fukunaga
