AKAI Professionalは、スタンドアロン音楽制作システムの新たなフラッグシップモデルとなる「MPC XL」を1月21日(水)に発売した。
MPC XLは、ビートメイキングからフルアルバムのプロデュースまでをコンピューターを介さずに完結させる「オールインワンのスタジオハブ」として設計されたモデル。フルアルバムのプロデュースから、外部ハード機器の操作、スタジオのセットアップのコントロールまでを1台で実現できる。
MPC XLでは第2世代の8コアプロセッサと16GBのRAMを搭載したことで、従来のMPCシリーズと比較して4倍の処理速度を実現。複数のプラグイン・インストゥルメントの同時読み込みや、複雑なセッションの実行においても、途切れることのないプロジェクトのナビゲートを可能にしている。内部ストレージには256GBのSSDを採用し、プロジェクトやサンプル、プラグイン、プリセットの保存に十分な容量を確保した。また、主要な機能に即座にアクセスできる「1対1ファンクションボタン」を備えており、メニュー階層を探ることなく制作に集中できるワークフローを構築している。
さらにクリエイティブな表現を実現する進化として、新たに3Dセンシング技術を備えた「MPCeパッド」を搭載。各パッドは4つのクオドラント(領域)を備えており、X/Yコントロール、サウンドのモーフィング、ループ、レイヤリング、モジュレーションにより、これまでにないダイナミックな演奏体験を可能にする。操作系には、傾斜機能が付いた10.1インチHDマルチジェスチャータッチスクリーンを採用し、楽曲の各要素を容易に表示・アクセスできるよう設計されている。また、16個のQ-Linkノブを搭載し、それぞれに専用のOLED(有機EL)ディスプレイを備えることで、ミキシングや編集時の視覚的なフィードバックを明確に提供する。加えて、レベル、センド、出力、録音時のパラメータに即座にアクセスできる専用の「XLチャンネルコマンド」や、エフェクトやノートリピートを触感的に操作できるアサイン可能な「パフォーマンス・タッチストリップ」も装備されている。
シーケンスツールとしては、新たに16個のファンクション機能付きRGBステップシーケンサー専用ボタンを搭載。複雑なビートの制作や外部シンセのシーケンス、クリップのアレンジメントなど、ワークフロー全体を本体のみでコントロールできる。接続端子についてもプロフェッショナルな制作環境に対応しており、入力面ではマイクプリアンプとファントム電源を備えたデュアルXLR/TRSコンボ入力に加え、ギターやキーボード向けの専用インストゥルメント入力を装備。出力面ではルーティングとミキシングに柔軟に対応する8系統の個別ライン出力を備える。さらに外部連携として、合計16チャンネルのCVを提供する8つのステレオ1/8インチCV/Gate出力を搭載。USB-Cは24チャンネルのオーディオインターフェース機能、32チャンネルのMIDI制御、スマートデバイスからのサンプリングに対応する。
付属するソフトウェアパッケージには、ビートメーカーからパフォーマー、ソングライターまで幅広い層の制作を支援するプレミアムなプラグイン・インストゥルメントやエフェクト、サンプルライブラリが含まれている。近年、AKAI ProfessionalはMPC Xをはじめ、MPC ONE、MPC Live IIなど次世代スタンドアロン機材を発表してきた。その系譜にある「MPC XL」は、まさに同社のDAWレス機材におけるフラッグシップと言える内容となっている。今後、制作におけるPCへの依存度を下げたいプロデューサーにとって、MPC XLは有力な選択肢となりそうだ。
なお、MPC XLの価格はオープンプライス(市場想定売価は449,800円(税込))。詳細はAKAI Professionalの公式サイトでチェックしてほしい。
製品情報
発売日:2026年1月21日(水)
価格:オープンプライス
市場想定売価:449,800円(税込)
http://akai-pro.jp/mpc-xl/
text by Jun Fukunaga
