その歌声と佇まいで、一聴したリスナーの心を掴んで離さない、スーパーグループ、ボーイジーニアスのメンバーとしても知られるSSWジュリアン・ベイカー(Julien Baker)。圧倒的な存在感と歌声でリスナーを魅了し続ける、ブルックリンを拠点に活動する人気SSWトーレス(TORRES)。USインディーを代表する2人によるデビュー・シングル「Sugar In The Tank」が、〈Matador Records〉より本日リリースされた。クィアとして育った共通の経験から結成されたこのデュオは、このシングル曲を通じてカントリーミュージックへの愛を表現するとともに、近年まで排他的と感じられていたジャンルの伝統や象徴を、愛をこめて再解釈している。先日大人気司会者ジミー・ファロンによる米TV番組The Tonight Show Starring Jimmy Fallonへのサプライズ出演を果たし、同曲を初披露した映像も公開されている。
メンフィス出身のジュリアン・ベイカーとブルックリンを拠点に活動するトーレス(マッケンジー・スコット)は、それぞれ独自の道を切り拓いてきたシンガーソングライターである。ジュリアンは、2015年のデビュー作『Sprained Ankle』で世界的な注目を集め、アイデンティティや信仰、依存症といった深いテーマに切り込みつつも、希望を感じさせる内省的な作品で高い評価を得た。その後も『Turn Out the Lights』(2017)や、フィービー・ブリジャーズ、ルーシー・ダッカスとのトリオ、ボーイジーニアスでの活動を経て、2021年のソロアルバム『Little Oblivions』では「感情の混乱に真正面から挑む歌詞と壮大な音楽性(Rolling Stone)」と高い評価を受けシーンを牽引する存在となった。2018年には初来日ツアーを実現させ全日ソールドアウトさせるなど、ここ日本でも大きな人気を博している。また、2023年にはボーイジーニアスとしてグラミー賞を3部門受賞し、Madison Square GardenやHollywood Bowlでのソールドアウト公演を含む大規模ツアーを成功させた。
トーレスは2013年にセルフタイトルのデビュー作『TORRES』をリリースし、PitchforkやThe Guardianなどの主要メディアで高評価を獲得。続く『Sprinter』(2015)では、NewsweekやPaste Magazineなど各メディアにて「2015年のベストアルバム」に選出されるなど大きな注目を浴びた。最新作『What an enormous room』(2022)は、ノースカロライナとニューヨークで録音され、彼女自身の緻密な演奏とプロデュースでさらに深みのある音楽性を披露。カントリーからインディーロックまで幅広いジャンルを横断する独自のスタイルで、リスナーを魅了し続けている。
そんな2人がタッグを組み、リリースしたデビュー・シングル「Sugar in the Tank」は、ジュリアンのバンジョーとトーレスのギターが絡み合っており、カントリーミュージックの伝統を尊重しながらも、近年まで排他的とされてきたその象徴を再解釈したもの。2人の調和したハーモニーと共に、カントリーの新たな可能性を感じさせる一曲に仕上がっている。
リリースinfo:
label: Beat Records / Matador Records
artist: Julien Baker & TORRES
title: Sugar in the Tank
release date: 2024.12.13