Tame Impalaが開発に関わる楽器メーカー「Telepathic Instruments」が、かねてからティーザーが公開されていたコード生成機能付きのデジタルシンセサイザー「Orchid」を正式発表した。
今年、Tame Impalaの中心人物であるKevin Parkerは友人のIgnacio Germade、Chris Adams、Charl Laubscher、Tom CosmともにTelepathic Instrumentsを共同設立。Charl Laubscherは「Orchidは知識の有無に関係なく、クリエイティブなプロセスを刷新するためのもの。音楽的な快適圏から一歩踏み出し、実験し、自分の中にあるものを見つけたい人のためのツール」と説明している。
同社によると、Kevin Parkerは10年以上前からOrchidを構想。その目的は、ソングライターが「自分の心の中にあるものを見つける」ための楽器を作ることだったという。
Telepathic InstrumentsとMusic Techによると今回発表されたOrchidの特徴や機能は以下のとおり。
Orchidの特徴:
- 12キー、16ボイスのポリフォニックシンセ
- 3つの独立したシンセエンジン搭載
- コードやコード進行を素早く構築できるコードロジックシステム
- リバーブ、コーラス、ディレイなどの内蔵エフェクト
- モジュレーション用の4つのLFOとエンベロープジェネレーター
- 低音用の独立したベースエンジン
- 充電式バッテリーと内蔵ステレオスピーカー(ポータブル使用向け)
コード生成システム:
8つのコードタイプ選択とコード修正用キーで構成。キーボードでルート音を弾き、ジェネレーターでコードをトリガー。ロータリーエンコーダーでコードの再ピッチと再配置が可能。
パフォーマンスモード:
「Strum」、「Slop」、「Arpeggiator」、「Pattern」、「Harp」の5つのモードを搭載。Harpモードは「4オクターブの範囲で特定のコードに合わせてハープをかき鳴らすような音を再現」する。また、内蔵のLoop Modeでアイデアを録音し、オーバーダブで重ねることも可能。
さらに12の感圧キーを備えた通常のキーボードとしても使用可能。Telepathic Instrumentsは、コード生成システムにより実質的にフルサイズのキーボードとして機能すると強調している。
発売時期と価格
- 2024年12月18日:アメリカで1000台限定発売
- 価格:549ドル(約8万3000円)
- 最初の1000人の購入者は、製品の改良に関わることができるオンラインコミュニティ「The Garden」への参加資格が得られ、2025年の一般発売に向けた製品開発に携わることができる。
なお、Kevin Parker本人からは、チームと共に”アイデアマシン”と呼んでいる以外、公式なコメントは出ていない。
現在、Telepathic Instrumentsの公式サイトでは、製品に関する最新情報を得ることが可能なメーリングリスト登録も受付け中だ。
source:
https://www.youtube.com/watch?v=ZyeR6pCyUi0
https://musictech.com/news/gear/tame-impala-orchid-telepathic-instruments-price-release/
text by Jun Fukunaga