有名音楽フェス・ロラパルーザのファウンダーがEDMを除外したハウスに特化したイベントを開始予定

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90年代にスタートし、幾度かの休止期間を挟むものの、現在はアメリカを代表する野外フェスとして、本国だけでなく、世界各地で行われる人気のLollapalooza(ロラパルーザ)。

そのファウンダーであるロックバンド・Jane’s Addiction(ジェーンズ・アディクション)のメンバーでもあるペリー・ファレルが、新たにハウスミュージックにフォーカスしたイベントをスタートさせる予定をしているようだ。

今年のLollapaloozaは、8/3-8/6にかけて行われることになっており、The Killers、Muse、Arcade Fire、Blink-182、The XXらロック勢のほか、Chance The Rapper、Run The Jewels、Wiz Khalifa、Migosらヒッブホップ勢のほか、DJ Snake、Porter RobinsonらEDM勢らも出演する有名フェスらしい豪華なラインナップとなっている。

◇EDMというジレンマからの脱却?

しかし、ペリー自身はChicago Tribuneのインタビューによれば、規模が大きくなり、商業的に成功するためには、未だトレンドであり、集客のためには欠かせないEDMアーティストをブッキングする必要があることは認めているものの、自身の趣向としては好みの音楽ではないと語っており、ポップミュージックとしてのEDMの役割は理解してはいるが、自身が好むダンスミュージックは、リスナーを旅に誘うような瞑想的でサイケデリックなコアなハウス・ミュージックだと語っているようだ。

また、このようなジレンマを抱えていることが、彼にとって新たに最高のハウス・ミュージックのイベントをスタートさせることを決意させるきっかけになったようで、18ヶ月後にはそのプロジェクトが日の目を見ることになるとも語っている。

◇揺らぎを見せるフェス業界

ペリー曰く、新しいプロジェクトでは、完全にEDMを取り除いた内容を目指しているようだが、根底にはただ彼の好みがEDMではないということ以外にも、現在がムーブメントのピークを迎えていると思われるEDMシーンに頼る”手堅く集客できる”方針では、すでに経済的な揺れを感じるフェスビジネス業界の問題を乗り越えることができないという考えがある模様。

それについては共同設立者であるマーク・ゲイガーも同じような見解を示しており、現在、100組を超える出演者の中から最高のものを見つけ出すことは容易ではないと語っており、商業的なEDMに疲れを感じているようだ。

巨大フェスが抱えるビジネスとしての問題に大きく関わっている現在のEDMシーンの規模の大きさを改めて実感するが、インターネットを通じ、日々新しい情報が発信される現代社会だけに、同じ方法はユーザーの満足度を減らし、飽きを早めることになるということなのだろう。

成功したビジネスモデルとなった存在さえ、次の一手を打ち出そうとしている今、どうやらメインストリームのトレンドの移り変わりが本格的に近いうちに起こりそうだ。


Text by Pointed
Top Image via Tammy Lo
Reference: Chicago Tribune

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